選民意識を持つ人と関われば、考え方にも影響が出てしまい後々まで苦労します。
親がそのタイプなら、生まれた時から変な価値観を植え付けられます。
就職したばかりの時や、何か新しいことを始める場でそういう人に出会えば、新しい世界への価値観が歪みます。
今回の記事では、選民意識を持つ人の心理や、関わればどのような被害に遭うのかについて書いていきます。
選民意識とは?
選民意識とは何か
「自分は選ばれた特別な人間だ」という意識です。エリート意識とも呼ばれます。
実際にエリートかどうかという問題ではなく、
- 自分は他の人とは違う優れた人間だ
- 自分は常に正しい
- 自分を認めない人間は間違っている
- 見る目があり正しい人間は自分を褒める
と、自己評価しています。
いかに自分は人より優れているかを、自分上げ他人下げで語ります。
「周りのくだらない人と自分は違う、頭が良くて優れているのだから人は自分の思い通りに動くべきだ」とまで思ってしまうようです。
こじらせると、自分以外のくだらない人間には価値がないと思います。(「飼い犬が手を噛むので」のネタです)
選民意識を持つ人
選民意識がある人間は、一見自信に満ちていてカリスマ性があります。
その一方、幼児性が強く自分の思い通りに周囲を動かそうとします。自分が中心で常に持ち上げられていないと気が済みません。
ロバートキーガンの成人発達理論で言えば発達段階2にあたり、未熟な段階です。
発達段階が低いのが悪いのではありません。DBの孫悟空は発達段階2でも魅力的です。
発達段階が低いにもかかわらず、「自分は優れている発達段階が高い人間だ」という、自己認識の大きな間違いが問題です。
自信があるなら、常に自慢話をする必要はありません。
人に褒めてもらわなくても、自分で自分の価値を認めているからです。
選民意識は、自己肯定感や自信とは真逆の不安や欠乏感からくるものです。
自分で「自分は特別な人間だ」と思えないから、人にアピールして認めてもらおうとしています。
健康な精神状態ならば、そのような人について、「うざい」「自己中」「めんどうくさい」というような感想を持ち、上手く離れていきます。
ですが、運が悪く取り込まれてしまえば、離れることに不安を感じさせられ、泥沼にはまってしまいます。
選民意識を持つ弊害
不安を持ちやすい
不安を持つ原因の1つは、コントロールによって心が不自由になることです。
選民意識を持つ人は、周囲の反応を望むようにコントロールしようとします。それに依存しているからです。
立派に見える自分という立場に執着します。執着は心の呪縛になります。
人の気持ちはコントロールできません。自分の心も同様です。
できないことをやろうと無理をするから、常に苦しく不安を抱えています。
エナジーバンパイアになる
不安な状態は、気持ちの力である気力を使います。
足りなくなったエネルギーは、人からの気持ちで補充しようとします。凄いと思ってもらえたり、高く評価されることで元気になります。
そのエネルギーを貰うために人をコントロールしようとします。これはエナジーバンパイアと言われる状態です。
騙されやすい
「高潔な精神と高い能力のあるあなたなら出来ますよ」と言われ、心が動いてしまうなら、選民意識を疑ってみてください。
通常は「あなたは優れているから」という評価が自分を突き動かす理由にはなりません。
「あなたは凄い」という評価が行動の理由になればどうなるでしょうか?
言葉巧みな詐欺まがいの
「あなただから」「あなたこそが」という勧誘に簡単に騙されます。
相手が信用できるかという判断基準が、自分への評価が高いかどうかなので、詐欺側からすれば、褒めるだけで騙せてしまう単純な人ということになります。
悪い感情を持ちやすい
選民意識には、自分以外の人間はダメだという前提があります。
自分以外で優れている人は、褒めてくれるなど、何らかの形でプライドを満たしてくれる人のみになります。
自分は価値が高いと思い込みたいために、常に世間や人の悪口を言います。
そして、自分と自分のプライドを満たす人について持ち上げます。「世間は~だから駄目だ、その点自分は~だから凄い」といった感じです。
こんなことでは、周囲は悪い気、カルマで満たされます。なのでますます悪いエネルギーが集まる悪循環です。
選民意識を持つ人と付き合う弊害
気力を奪われる
選民意識を持つ人は、常に自分を尊敬してしたがう事を望みます。
「立派な自分は大らかで気にしない」というフリをしつつも、暗にそれを要求してきます。
自分にしたがわないのは間違った状態なのだ、その間違えは正さなくてはいけないと圧力をかけられます。
そのような人と関わっていると気力が奪われます。エナジーバンパイアにエネルギーを吸われている状態です。
不安にさせられる
選民意識を持つ人は、他人をコントロールする方法として「不安」を利用します。心を揺さぶり不安をあおって言うことを聞かせようとします。
このような人が必ず言うのは、
「自分のそばから離れた人は不幸になる」という類の言葉です。
これは実際にそうなります。毒親から離れても子どもが不幸になるのと同じような理由です。
価値観を歪められた人は、別の場所でもそのままなのでおかしな関係を築きやすいからです。
自己評価を下げられる
選民意識を持つ人は、自分以外の人の価値を意図的に下げてきます。
相手の価値を下げることで、自分の価値が上がると思っているからです。
その人を高く評価して言うとおりに動くことのみが、あなたの価値を上げることだと主張してきます。
自分の意志で動くことはことごとく否定されます。そのような状態が続けば、感覚がマヒし洗脳されます。
自由がなくなる
上記の理由で、選民意識の強い人のそばにいると自由がなくなります。
意図的に価値も能力も下げられます。
そのような人にとって、自分の能力を超える人は自分の価値を脅かす、居てはいけない存在です。なにかと難癖を付け、可能性を潰そうとします。
なのでそばに居れば、いいように利用された上に芽も出せず離れることも許さないという悲惨な状態になります。
例外は、元々自分より優れていて、自分を可愛がってくれる人への評価です。
そのような人は「こんな凄い人に自分は可愛がってもらっている」と、自分の価値を上げる道具として利用出来るので褒めたり尊敬したりします。
「選民意識」が「自信」のない理由
自己肯定感は、自信を元にしたものです。選民意識はその逆と言えます。
自分の欲求を誤認識しているから
上の図は、マズローの欲求5段階説です。
- 生理的欲求:食事・睡眠・排泄などの基本的な欲求
- 安全の欲求:危険や恐怖を避け、安全・安心に暮らしたいという欲求
- 所属と愛の欲求:人と繋がりを求め、団体へ属したい欲求
- 承認の欲求:(他人からの)尊敬や高い評価を得たい欲求
↑ここまでが欠乏欲求です↑
↓ここからが成長欲求です↓
- 自己実現の欲求:自分自身の為の成長や自分らしさを目指す欲求
選民意識の不自然さは、承認欲求という欠乏欲求から発生しているものなのに、自分は不足なく満足していると認識しているからです。
自分で自分に満足できない結果、自己満足します。
自分の欲求を間違って認識しているので、いつまでも満たされません。
自分を認められないから
人は、自分を基準として物ごとを判断します。
自分の内面を知る人は、人の内面も知ります。
自分を好きな人は、(基本的に)他の人も好きです。
自己肯定感が強ければ、他人を肯定します。
自分の良さを知っていれば、他人の良さを知っています。
自分を許容できる人は、他人も許容します。
他人に対し
「駄目だと思う、認められない、コントロールしようと思い、許せない」
という選民意識の強い人は、自分に対しても本心では同等の評価をしています。
自分をダメと思い、認められず、コントロールし、自分で自分が許せません。
これは、自信がない状態です。
コントロールしようとするから
自信があれば、思い通りに動いていなくても対処できます。自分を信じている人は、基本的に周囲を信用しているので、コントロールする必要を感じません。
選民意識ならば、自分を信用していないのと同じように周囲を信用していません。
なのでコントロールしていないと不安を感じます。ですが心は自分の物でも人の物でもコントロールは出来ません。なのでますます不安になり疑心暗鬼におちいります。
まとめ
- 選民意識とは、自分は選ばれた特別な人間だという思い込み
- 選民意識を持つ人は幼児性が強く自信がなく不安な状態
- 選民意識をもつデメリットは
- 不安になりやすい
- エナジーバンパイアになる
- 騙されやすい
- 嫌な気持ちになりやすい
- 選民意識を持つ人と関わるデメリットは
- エネルギーを奪われる
- 不安にさせられる
- 自己評価が下がる
- 自由がなくなる
- 才能を潰される
- 選民意識を持つ人が自信のない理由
- 自分の欲求を誤認識しているためいつまでも満たされないから
- 自分を認められないから
- コントロールしようとするから
選民意識を持っている人の無意識からは、苦しみながら叫ぶような声が聞こえてきます。