「ストレスが原因でついつい食べてしまう」
「最近太ってきたのはストレスのせい」
という話はよく聞きます。
その一方で、
「ストレスが強ければ食事も喉を通らないのではないのか?」
「ストレスが溜まればどんどん痩せていくはず」
とも言われます。
今回の記事では、ストレスと過食の関係について書いていきます。
急性ストレスと慢性ストレス
急性ストレスとは?
食欲が減り痩せることが多いのはこの急性ストレスです。
急激に強いストレスが一時的にかかる状態です。
強いストレスがかかると、脳は生命の危機を感じます。
副腎皮質に働きかけ、コルチゾールというストレスホルモンを分泌させます。
同時に自律神経系は交感神経優位になります。なのでアドレナリンとノルアドレナリンが放出されます。
アドレナリンとノルアドレナリンは闘争・逃走ホルモンとも呼ばれ、今の状況で全力で戦うか逃げるかの体勢に入ります。
このようにストレスホルモンによって、生命の危機から逃れられる仕組みになっています。
慢性ストレスとは?
ストレス食い、ストレス太りの原因になりやすいのがこの慢性ストレスです。
急性ストレスが一時的なものに対し、慢性ストレスは長期間のものです。
慢性ストレスでも、コルチゾールやアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されます。
ストレスが長期間に及べば、コルチゾールが常に過剰分泌されることになり、下に書くような不調が起こります。
自律神経も常に交感神経が優位に働くようになります。
心身を休ませる副交感神経の働きが悪くなり、常に疲れた状態になります。
慢性ストレスはホルモンを狂わせる
ホルモン分泌の調整は、脳の視床下部で行われています。
ストレスがかかればホルモンが上手く働かなくなります。それが過食・肥満の原因にもなります。
体脂肪が高いという時点で「病気」であり、その病気の根本の原因はホルモン分泌が上手く調整できていないからと言われています。
コルチゾールと過食
- イライラしてジャンクなものを食べ過ぎてしまう
- スナック菓子などをバリバリ食べ続けるのがやめられない
- たくさん食べてもすぐお腹がすくのでさらに食べてしまう。
ストレスによってこのようなパターンの過食が起きる場合、コルチゾールの過剰分泌が考えられます。
心理的なストレスの他、不摂生な生活が理由で体にストレスがかかった時にも、体内に炎症が発生します。
風邪をひけば熱が出る、何処かに体をぶつければその場所が腫れて熱をもつなどが炎症反応です。体に異物が入る、ダメージを受けるなどがあった時に、体を守り修復させるのが炎症反応で、これは免疫機能です。
炎症が起きているため、副腎皮質から抗炎症の働きを持つコルチゾールが分泌され続けます。
アレルギーなどで炎症が起きた時ステロイド剤が処方されることがあります。そのステロイド剤はコルチゾールです。
体がダメージを受ければ炎症反応がおきる、というのは大切なポイントなので頭に留めておいてください。
慢性的なストレスでの炎症は、風邪や痛みなどのはっきりと分かるものというより、なんとなくだるいとかそんな感じです。体感的にはその程度でも、CRP検査などでどれぐらい体内で炎症が起きているのか調べられます。
過剰にコルチゾールが分泌される弊害として
- 食欲が増加する(スナック菓子などバリバリ食べたくなる)
- 成長ホルモンの働きを阻害する(脂肪が燃えにくくなる)
- インスリンの過剰分泌(脂肪を溜めやすくなる)
- 副腎疲労を起こし、休んでも疲れがとれなくなる
といったものがあります。
食欲が増すのに脂肪を溜めやすくなりエネルギー代謝も悪くなる、さらに疲れると言う踏んだり蹴ったりな状態です。
で、そのコルチゾールを過剰分泌させる原因の体内の炎症ですが、
その炎症を起こすもの、つまり体にダメージを与えるものとして、
- 食べ過ぎ
- 質の悪い食事(加工食品、添加物など摂りすぎ)
- 栄養不足
- 睡眠不足
- 肥満
- 運動不足
- 心理的なストレス
などがあります。
過食気味で体脂肪の高さに悩んでいるのに、過食や体脂肪の高さで炎症が起こり、過食をまねいてしまうのは完全な悪循環ですよね。
対策
体内の炎症ははっきりと感じにくいけれど、健康にはかなり悪影響を及ぼしています。老化の大きな原因とも言われています。
解決するためには、健康になって炎症を抑えるしかありません。
健康は
- 健康的な食事
- 十分な睡眠
- 適度な運動
によって保たれます。
(過食対策での健康記事を書いた後ここにリンクを貼っていきます)
幸せホルモンを求める過食
- なんだか不安だけれど、何かを食べれば気持ちが落ち着く
- つらくて耐えられないけれど、食べ物を詰め込めば心が落ち着く
- 食べていれば嫌なことを忘れられる
ストレスによってこのようなパターンの過食が起きる場合、幸せホルモンを分泌させることが目的だと考えられます。
過食をすることで心が落ち着く、なので多く食べるのがやめられないという状態です。
これはつらい気持ちの時に
- 心が落ち着く幸せホルモンセロトニン
- 辛さを麻痺させ多幸感をもたらすエンドルフィン
を求めています。
これらのホルモンを求めるのは心の問題も多分にありますが、健康状態が悪いために必要なホルモンが足りないことも関係しています。
栄養バランスや腸内環境が悪いために、セロトニンが普段から不足していることが原因の場合もあります。
エンドルフィンは、生きていく気持ちが湧かない時、極端に言えば「死んでしまいたい」と追い詰められた時に求めるホルモンでもあります。
自傷行為の時に放出され、痛みの中でだけ生きていく実感があるとかそのような類の感覚をもたらす場合もあります。
アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどのやる気ホルモンが分泌されていないからエンドルフィンに依存するという面もあります。
対策
セロトニン不足の場合は
- 日光浴をする(最低5分出来れば20分)
- ヨーグルトや納豆など腸内環境を整える
- ウォーキングを習慣化する
といったことで解消されます。
過食でセロトニンを放出されても一過性のものです。結果セロトニンが必要と感じれば過食を繰り返します。
なので、体が順調にセロトニンを出せるようにすることが一番の方法です。
エンドルフィンを求めての過食はかなり深刻かもしれません。
自分を麻痺させ心を殺すようなことを日常的に行うのは、心が健康な状態ではありません。
ですが、心の問題だけのせいにしないで欲しいと思っています。
なぜなら、その考え方が過食対策から遠のく可能性があるからです。
すべてを自分の心のせいだと思えば、自分の心を責め続けます。
心の問題は解決が難しいと、過食対策を諦めてしまうかもしれません。
エンドルフィンを求めて過食をする度に、自分を責める必要はありません。単純な食べ物中毒でエンドルフィン中毒でもあるので、その身体的依存の対策から取り掛かってください。
エンドルフィンは、過食を含めた自傷行為以外からも得られます。
マラソン時に起きるランナーズ・ハイもエンドルフィンです。
激しい音楽を聴いた時にその攻撃性に自分を失うような感覚、これもエンドルフィンです。
自分を傷つけない形でエンドルフィンを得て、苦しい気持ちを昇華させることが、とりあえずの対策です。
同時進行で体を健康にしていくことで、病的な過食から離れることが出来るはずです。
私はDeath Metalと言われる激しい音楽でエンドルフィンを出し、その後サウナ+ファスティングで克服することが出来ました。
まとめ
- ストレス食いの原因は、
- 心身の慢性ストレスによるコルチゾールの過剰分泌によるもの
- 幸せや多幸感のホルモンを求めてのもの
- ストレス食いの対策は、
- コルチゾールを過剰分泌させないように健康になる
- 必要なホルモンが分泌出来るように健康になる
- ストレスは心だけではなく、体が原因のことが多い