こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
自分が受け入れられなければ苦しい思いをします。本領が発揮できず、つねに心の中ではブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような葛藤が起こります。
なので、
「自分の全てを受け入れよう」
「自分の嫌な部分にOKを出す」
というのは必要なことです。
必要なことですが解釈を間違っているために逆効果になる場合がとても多いと感じています。
今回の記事では、「自分の全てを受け入れる」によくある勘違いや、無理なく自分を受け入れる方法について書いていきます。
「自分の全てを受け入れる」によくある勘違い
無理に受け入れようとする
誰にだって自分の嫌な部分はあります。弱い部分もあります。
受け入れられない部分について
- 自分の弱い部分も認めなければいけない
- 嫌な部分も好きにならなければいけない
- あるがままの自分を許可しなければいけない
と、無理やりOKを出そうとすることです。
ありがちなのが、ありのままの自分を好きにならなければいけないと思うあまりに、自分の○○な部分が嫌いという気持ちを抑圧することです。
自分で自分をダメと思うなんてダメな人間だ!というやっかいな状態です。
例を出します。
自分は怒りっぽい性格だと思いそれを嫌っていたとします。
「怒りっぽい自分の性格が嫌いだ」から「自分は怒りっぽい自分を嫌いなどとは思っていない(抑圧)」への変化です。
心の問題的には悪化しているのがお分かりいただけるでしょうか?
「怒りっぽい自分を否定する」から「怒りっぽい自分を否定+怒りっぽい自分を否定することも否定」と、自己否定が増えています。
これは自分の殻を破って成長したように見えて単に抑圧しているパターンと同じです。
短期間(2-3ヵ月程度)で出来ると思っている
自分の全てを受け入れよう、あるがままの自分を好きになろうと思う人は、深刻な自分嫌いな人が多いはずです。
自分嫌いのデメリットを痛感しているからこそ、この課題に取り組んでいるのだと思います。
自分嫌いは幼少期や学生時代の環境、特に子どもの頃に養育者に受け入れられずに育ったことが大きな原因です。
条件付きの愛情しかもらえなかったり虐待されて十何年も蓄積されたものがそんなに簡単に消えてなくなるわけはありません。
人の心は急に変化しにくい仕組みを持っています。心理学的ホメオスタシスという心の安全装置です。
「否定することを否定する」癖をつけるだけで3~6ヶ月、自己否定が強い場合は1年ぐらいかかります。
否定することを否定=「自分のこんな所が嫌なんだ…じゃなかった!否定癖が出たなぁ」と注意して止めている段階です。
その後、否定の言葉が意識にのぼらずに受け入れられるようになるまでに同じくらいの期間が必要です。
つまり、自分の嫌な部分を受け入れるためには早くても6ヶ月で、2年ぐらいかかるのも普通です。
出来ないという焦りが自己否定に繋がり、抑圧へ逃げてしまうこともあるので逆効果になります。
自分の全てを受け入れる方法
自分の嫌な部分に対しOKもNGも出さない
自分の嫌な部分に対しNGを出せば受け入れられないままです。かといって無理にOKを出せば嫌と言う気持ちを抑圧します。
人を妬んで、こんな感情を持つ自分は嫌だなと思うとします。ここで「妬む自分も自分の一部だからOKだ」とは思えません。
何故なら、妬みの感情側も今まで拒否されてきたので急に馴染めないからです。妬みも生存本能として必要な感情です。感情は自分にとって必要だから発生しているのでいらないものはありません。
ここで有効な方法は、ただ「あるな」「いるな」と認識することです。
妬みの感情が発生した時に「また妬みが発生した!もう嫌だ!」拒否するのではなく、「妬みだって自分の大切な一部!」と好きになろうとするのでもなく、「今、妬みの感情が出て来たな」と思うだけです。
「妬みの感情、こんにちは」と心の中で挨拶すればより効果的です。
あると認め自覚していればそのうち「そんなものか」と思うようになります。さらに繰り返していけば「まぁこれも自分らしいかな」と馴染んできます。
最終的に、「これもアリでしょう」と受け入れられるようになります。ここで初めて嫌な部分にOKを出して受け入れられるようになります。
受け入れられれば、自分のエネルギーとして扱えるようになってきます。
妬みを前に進むエネルギーに変える方法を知りたい方は下の記事をどうぞ。
自分で自分の親友になる
セルフコンパッションとは自分に対する慈しみを持ち労わることです。
例えば、疲れが溜まって寝坊して友達との待ち合わせに遅刻したとします。
「30分も待たせてしまった!申し訳なくていたたまれない!」と落ち込んでいる自分に対し、自分が自分の親友になって慰め労わります。
大切な親友が同じ理由で落ち込んでいたら、自分ならどう声をかけるかなと考えます。
「最近疲れていたから仕方がないよ」
「ちゃんと謝って埋め合わせすれば分かってもらえるよ」
など、そんなに気に病まないように励ますかもしれません。
自分だったら嫌な欠点に思えることでも、大好きな親友が同じなら「その欠点が逆に個性的でいいな」という評価に変わることもあります。
別の方法としては漫画や小説、映画などに出てくる好きなキャラクターに心の中に住んでもらい、親友として励ましてもらうというものがあります。
あのキャラだったらこんな風に励ましてくれるんだろうな、というのを脳内再生する感じです。
難しい仕事に挑戦する前、失敗したらどうしようと思う自分をドラゴンボールの孫悟空に「ワクワクするよな!」と勇気付けてもらうなどです。
なのでキャラ選定を慎重にするかツンデレに仕立てるかになります。(ドラえもんのジャイアンなら、「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの、だからお前の苦しみも俺のものだ」みたいな感じです)
私のお勧めキャラは「メンタル強め美女白川さん」という漫画(ドラマにもなりました)の主人公白川さんです。
白川さんのようになることを目指すのではなく、白川さんに親友になってもらうことがポイントです。
【大量試し読み】→https://ddnavi.com/serial/shirakawasan_2022/
まとめ
- 自分の全てを受け入れようとしても逆効果になるのは
- 嫌な部分を嫌だと思う気持ちまで否定し抑圧するから
- 心理学的ホメオスタシスを軽視しすぐに変わろうと無理をする
- 自分の全てを受け入れる方法は
- 嫌な部分をただ認識する
- 心の中に親友を住まわせ励まし慰めてもらう
あまり親しくない人に対し「自分の全てを受け入れてもらわなければいけない」と、部屋着にボサボサ髪な上、異常に馴れ馴れしくしていても上手くいきません。
生涯の伴侶には「自分の全てを受け入れてくれるべきだ、怠惰な所も認めてもらわなければ」と仕事も家事もせずにただ遊んでいれば拒否されるかもしれません。
自分で自分の全てを受け入れるのも同じようなものです。