こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
認知行動療法には、定型的認知行動療法と簡易型認知行動療法があります。
参考 定型的(高強度)認知行動療法と簡易型(低強度)認知行動療法
定型的は専門の人が行う高強度の治療法です。
簡易型は勉強すれば誰もが行えるものです。学校の先生が生徒に対してアプローチしたり、セルフで自分自身を楽にすることも出来ます。
この記事で書くのは簡易型です。
- 認知行動療法とは?
- 認知行動療法の使い方
- セルフで行う方法は?
認知行動療法とは何か?

認知行動療法とは?
生き辛い認知を考え直し行動を修正していくものです。
自分が意識しているもの(認知)が歪んだ結果苦しいので、その歪みを治していきます。
簡単に書けば、勘違いで苦しんでいることへの誤解を解き行動を変化させて楽に生きられるようにするためのものです。
何かの出来ごとがあった場合、通常以下のように変化していきます。出来ごとに対し、意識せずに自動で思考し、その結果が気持ちや行動に影響します。
- 出来ごと
- 自動思考(その時浮かんだ考え)
- 気持ち・行動
例)
- 出来ごと:ラインに既読が付かない
- 自動思考:嫌われた?何か悪いことをした?
- 気持ち・行動:悲しくなり落ち込み、仕事に集中できない
何かの出来ごとがあれば自動思考で対応します。自動思考はネガティブなものになりがちです。
- 自動思考で対応するのは、いちいち考えていれば頭が疲れるからです。
- 自動思考がネガティブなのは危険を避けるための人間の本能です。
自動思考がネガティブになることをネガティビティ・バイアスと言います。
認知行動療法の具体例
心身が健康で特に問題がなければ、認知はいつもの自動運転に任せてOKです。
ですが、
- 生きにくい思考の癖を持っている
- ショックなことがあり物ごとの捉え方が歪んでしまった
- 気分が優れず悪い方向に考えてしまう
などの理由で認知に問題がある場合、認知行動療法が効果的です。
「1.出来ごと」に目を向けて自動思考の部分を考え直し、気持ちや行動を改善していきます。
思考を自動から手動に変えるということです。
上の例で言えば、ラインに既読が付かないのは忙しくてスマホを見ていないからでは?といった感じに自動思考の部分を考えなおします。
結果、嫌われたんだと落ち込まずに仕事に集中していけるように行動を修正していきます。もちろん思考の癖は簡単に治らないので、同じようなことがあった時に練習を繰り返すような形です。
相手は忙しくてラインに反応出来ないんだと決めるわけではありません。嫌われたんだと決めつけるのではなく、別のパターンも考えられるという、考え方の引き出しを多く持つ訓練をするような形です。
認知行動療法の使い方

気分が優れない、落ち込んだまま立ち直れないなどの状態になった時に、何が問題なのかを見ていきます。
- 気力が出ない→休養や気分転換(行動活性化)
- 思考に問題がある→考えを切り替える(認知再構成法)
- 現実の問題→問題に対処する(相談・問題解決技法)
ここでは「思考に問題がある→考えを切り替える(認知再構成法)」について書いていきます。
認知再構成法
認知の歪みを修正する方法です。
まず、なにかの出来ごとが発生した時心に浮かんだ瞬間的な自動思考に注目します。
何か嫌な出来ごとがあれば、まず良くない予想をします。自分の身を守るためです。
そのネガティブな自動思考が苦しみの原因なら見つめて修正していきます。出来ごとに対し情報を集める、冷静に見つめなおすなどです。
ポイントは無理にポジティブ思考をしないことです。
無理なポジティブ思考は一見前向きに見えますが、問題から目をそらしているのと同じです。
認知再構成法は、歪んだ考え方を修正するもので、考え方を切り替えればすむものではありません。
考え方の切り替えでよく言われている、コップに半分の水の例があります。
コップに水が半分「しか」入っていない→コップに水が半分「も」入っているという捉え方を変えるというものです。
この切り替え方も時には有効ですが、認知行動療法では使いません。
「半分しか」・「半分も」の両方が決めつけであり、問題から目をそらしているものとしています。なので決めつけではなくまず事実を見ていきます。
気分一致効果を知る
気分が良い時には良い考えが浮かび、気分が落ち込んでいる時は悪い考えが浮かぶ、という傾向があります。
これを気分一致効果と呼びます。
気分が良い時に浮かんだ自動思考と、気分が優れない時に浮かんだ自動思考の差を知り、良い気分の時のものを採用していきます。
(気分が良ければ思考も良くなるから良い気分でいよう、とは少し違います)
生き辛い「認知の歪み」
認知の歪みとは、ものごと全てを悪い方に捕らえ、現実を不正確に認識させる思考パターンです。以下の10パターンがあります。(→はかなり簡略化した解説です)
- 全か無かの思考→100点を取れないなら0点と同じ
- べき思考→自分は○○すべき、世間はこうあるべき
- 極端な一般化→ミスしたから今後もミスが続く
- 拡大解釈・過小評価→自分の失敗は大きく、成功は小さく評価する
- 感情の理由づけ→嫌な気持ちだから結果も嫌なものだ
- 自己関連づけ→何でも自分のせい
- 結論の飛躍→やっぱり嫌われている
- レッテル貼り→あの人は○○だから××に違いない
- マイナス化思考→褒められたけれどどうせお世辞だ
- 心のフィルター→悪い出来事ばかり抽出する
この思考では相当に生き辛くなります。
セルフでの認知行動療法

- 出来ごと
- 自動思考(その時浮かんだ考え)
- 気持ち・行動
- 別の考え方
について書いていきます。
実際に書くことで俯瞰的に見つめることができます。
何かが起きた時に書くことを繰り返すことと、別の考え方に沿った気持ちや行動の変化を試してみることで、自分で認知行動療法ができます。
出来ごと | 猫が鳴きまくる |
自動思考 | いつも猫に文句ばかり言われる |
気持ち・行動 | 飼い主として不足だと悲しくなる |
別の考え方 | 猫は私が好きで鳴いて甘えている |
上の例は、2023年2月現在21歳になった家の猫についての私の悩みを書いたものです。
「認知行動療法 セルフワークシート」で検索していただければいくつかの例があります。
まとめ
認知行動療法について参考にした本とお勧めの本です。