劣等感を自尊心にすると起こる怖いこと

心の話
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タイトルを見て「劣等感を自尊心にするって何?」と思われるかもしれません。

ですが、意外とこれで苦しんでいる人は多くいます。

「劣等感を自尊心にすると起こる怖いこと」を簡単に書けば

  • いつまでも不安や恐怖が消えない
  • いざという時に勝てない
  • 幸せになれない

ということです。

今回の記事では、自尊心やアイデンティティを劣等感に結び付ける怖さと不自然さについて書いていきます。

自尊心とは何か?

分を敬するです。

ありのままの自分でOKだという自己肯定感とは違い、自分の長所や有能な部分について自信を持っています。

自分は成績が良い、手先が器用、スタイルが良い、だから自分が好きだというのが自尊心の例です。

自尊心と劣等感を結び付ける実例

貧しい家で育ち収入に依存する

貧しい家で生まれ育ったことに劣等感を持ったとします。

これは実際にどれだけ貧しかったかの問題ではなく、本人の感じ方次第です。

ものすごくお金に苦労をしていても劣等感に思わない場合もあります。逆にそれほどでなくても強く引け目に感じることもあります。

それには本人の性格や周囲の環境など、いくつかの要因はあります。

大人になった時に「もうあんなに貧しくつらい目に遭いたくない」と強く思います。

結果、とにかく収入を得るために努力をします。それ自体は凄いことです。

何の努力もなしに「自分は貧しかったから今でも不幸なんだ」と文句を言い続けるより、はるかに立派です。立派ですが同じくらい不幸かもしれません。

努力し、その収入の高さこそが自分の取柄であり誇れる部分だと思い込めば幸せにはなれません。

「収入が高ければ上手くいく」
「金こそが全てなんだ」
「資産こそが一番信用できるものだ」

といった気持ちを持つからです。

これは見方を変えれば、

  • 高い収入を得られる自分には価値がある
  • お金を持っていない自分には価値がない

という世界観で、高い収入のある自分に依存します。

結果、仕事を失う、資産が減ることに異常な恐怖を持ち、どんなに稼いでも心が休まることがありません。

容姿で不当な扱いを受け美しさに依存する

容姿についてからかわれたり、嫌な思いをして劣等感を持ったとします。

これについても、本人が引け目に感じているかどうかの問題です。

自分の目の形が気に入らない。目の形さえ良くなれば全ての問題は解決すると思い込みます。悩みに悩んで思い切って目のプチ整形をします。

整形後はしばらく満足するものの、今度は唇の形が不格好だと思い始めます。

  • 自分が美しくなりさえすれば幸せになれる
  • 不幸なのは綺麗でないせいだ
  • 今幸せでないのはまだ美しくない部分があるからだ

という世界観を持ちます。

どんなに顔が変わっても不安は消えず、その後も手術を繰り返します。

どうしても気になる場所だけ整形手術をして、その後は劣等感も消え自信を持って過ごす人もいます。劣等感を消しただけで、顔の良さを自尊心にしていないからです。

手術を繰り返す人は、美しさという劣等感を自分の自尊心にしようとしたため、満たされるまで続けます。

ですが依存に過ぎないのでいつまでも満たされません。

その他の例

  • 自分の学歴に劣等感を持ち、子どもの高学歴を自尊心にする
  • 勉強が出来なかったことに劣等感を持ち、頭の良さを自尊心にする
  • いじめられたことに劣等感を持ち、社会でのヒエラルキーの高さを自尊心にする
  • 落ちこぼれだったことに劣等感を持ち、エリートでいることを自尊心にする
  • 気弱なことに劣等感を持ち、犯罪を楽しむことを自尊心にする
  • 田舎者だという劣等感を持ち、都会で流行に乗ることを自尊心にする

このいくつかの例でイメージしてもらえたでしょうか。

他の人から見れば、「それが自尊心になるの?」というものや「ただ浮かれているだけでは?」というものもあります。

ですが本人はこれこそが自分の誇れるものだと自負して、強く依存しています。

自尊心と劣等感を結び付ける原因

「劣等感の裏返し」を自己承認欲求にした結果

マズローの欲求5段階説
  1. 第1段階 生理的欲求:ご飯食べたい、寝たい、トイレに行きたい
  2. 第2段階 安全欲求:安全な暮らしかしたい、危険を避けたい
  3. 第3段階 所属と愛の欲求:家族、会社やサークルなど仲間に受け入れられたい
  4. 第4段階 承認欲求:自分の価値を認めてほしい
    他者承認欲求:人から評価されたい
    自己承認欲求:自分で自分を認めたい
  5. 第5段階 自己実現欲求:あるがままの自分と皆の幸福の両立

自分で納得できる自分でありたいという欲求ですが、あくまでも欠乏欲求です。足りないから欲しいという気持ちです。

かつ、劣等感の裏返しとしての努力です。

なので依存レベルで強く求めます。強く求めすぎるあまりに視野が狭くなり不自然さに気が付きません。

劣等感を克服すれば褒められるから

劣等感を頑張って克服したと知っている人からは普通に褒められます。

その上、克服したと知らない人からもその部分が褒められます。その部分への意識が周囲に伝わるからです。

いくら他に良い部分があっても、例えば上に書いた「収入に依存する人」は「仕事を頑張って成果を出していること」を褒められ、美しさに依存する人は「綺麗でいること」を褒められます。

ほぼ例外なくその部分を人から評価されます。

なので、自分の長所はその劣等感の部分だと思い込みやすくなります。自尊心と結びついていなくても勘違いするかもしれません。

克服した部分を褒められた時にお勧めなのが

そう見えるんだ、意外!
そう思われるんだ、面白いなー。

という、一歩引いた感想です。

言葉では普通にお礼を言えば良いのですが、心の中では他人ごとぐらいに冷静に受け取れば迷いません。

自尊心と劣等感を結び付ける人に知って欲しいこと

無駄なことをしている?

このタイプの人は、何故か自分の不得意分野で勝負を挑み始める癖があるようです。それも、勝負をしなくても良い場面でです。

例を出してみます。

(あり得ないことですが→)ワンピースのゾロが自分の方向音痴に劣等感があったとします。

地図を読む練習をし、ある程度の場所なら迷わず行けるようになりました。その延長線上で海図を読めるようにもなりました。

そして強敵が自分たちの船を襲いに来た時に、航海士であるナミに何故かライバル心を燃やし勝負を挑んでいたとします。船の行き先を決めるのは自分だといった言い争いをするなどです。

もう、何やってんの!?って感じですよね。

ゾロの個性は剣術の強さなのだからさっさと敵と戦えと思います。普段の日も熱心に地図を読む練習をするより体を鍛えろと思います。

もちろん、このゾロの例えはあり得ない話です。

ですが、オーバーな話ではなく、自尊心と劣等感を結び付ける人はこれと同じようなあり合えないことを実際にやっています。

協力して乗り切っていくべき場面で仲間と敵対し、足を引っ張ります。

不況のために従業員一丸となって切り抜けていくべき時でも、自分より優れている人を見れば強く嫉妬し邪魔をします。

ですがその「優れた人」から見れば、いきなり自分の得意分野で勝負を挑んできて玉砕し勝手に潰れていくようにしか見えません。

勝手に挑んで勝手に潰れ、勝手に怒っている姿は、新手の当たり屋に見えるかもしれません。

世の中、自分の得意や個性を磨いて伸ばしてそれでも勝てるかどうかなのに自分の不得意で勝負に出るなんて随分余裕があるんですね(棒)

という感想です。

自尊心と劣等感を結び付けないために

自分の目標が叶っても不安が消えないのなら、劣等感を自尊心にしているのかもしれません。

人の個性や長所は劣等感の中にあります。

劣等感は、人と違うからという理由で持つことも少なくありません。ですが人と違う部分は個性です。個性を活かせば長所です。

なので自尊心は劣等感を克服するのではなく、活かした結果持てるものです。

よくある例として、エンパスは「気にし過ぎる」「受け取り過ぎる」という劣等感を持ちます。

それを感受性の高さとして活かせるなら、長所になります。

個人的なことですが私を例に出せば、欠点であり劣等感は「飽きっぽい」「根気がない」です。自分でも呆れて笑うレベルです。

それでも生きていくのに困らない程度に「根気がある風」に振る舞えます。

そして人から褒められることは「コツコツ物ごとをやり続ける」です。やはり克服した(風な)部分を評価されています。

ですが、私の個性は「飽きっぽい」「根気がない」にあると思っているし、いざという時は全力でそれを活かします。

見方を変えれば「切り替えが早い」「囚われない」ということです。使い方によってはかなりの強みになります。

こんなどうしようもない欠点でさえ個性になるという一例です。

自分を知れば運が良くなる

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があります。

中国の兵法書「孫子(そんし)」の一節です。

敵や味方についてしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないという意味です。

個人戦だと、相手と自分を知れば負けないということですよね。

実際は「相手と自分」どころか「自分」自体を知っている人はあまりいません。完全に知るのは不可能ですが、ある程度把握している人さえもそんなにはいないようです。

なので、自分のことさえある程度把握出来れば勝負に勝てます。

敵が勝手に自分の得意分野(かつ相手の苦手部分)で勝負を挑んできて勝手に負けていくからです。強敵がやってきても何故か自爆し続けるので、ある意味運の良い人になれます。

(この自爆の仕組みが分からない場合は、相手は何をやりたいのか意味が分からない、でも敵意だけは感じるので「新手の嫌がらせか何かかな?」と首を傾げ続けることになります)

さらに言えば、自分を知ったその7割程度相手を知ることができます。なので結局自分を知る=勝てる ということになります。

まとめ

  • 劣等感を自尊心にすれば
    • いつまでも不安や恐怖が消えない
    • いざという時に勝てない
    • 幸せになれない
  • 劣等感さえ克服すれば幸せになるという思い込みが不安と依存になる
  • 劣等感を自尊心にする原因は
    • 劣等感の裏返しで自己承認欲求を満たそうとするのに気づかないから
    • 人は克服した部分を褒めたかるから
  • 劣等感を自尊心にすれば、自分の不得意分野で人と勝負をする
  • 劣等感を克服することでなく活かすことで自尊心を満たすのがお勧め

劣等感を持つことが悪いという意味ではありません。劣等感への向き合い方が問題です。

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