こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
イライラ状態が続く。
怒りを我慢し続けたためストレスが溜まってつらい。
怒りにまかせて発言したためトラブルがおきてしまった。
このように怒りを抱えてしまうと嫌な気持ちになるだけでなく、体調や状況が悪くなることさえあります。こんな感情は無くなればいいのにとさえ思います。
怒りは本能であり、自分を守る手段であるので無くなることはありません。
無理に抑圧して無くそうとすれば余計に膨れ上がり手に負えないほど巨大なものになります。
怒りについて対処するためには、しくみを理解した上で対策するのが近道です。アンガーマネジメントと言われているものです。
過去の環境により怒りが極端に湧きやすい人がいます。そのような人こそアンガーマネジメントで怒りの原因や目的を見つめ、怒りから自由になるためにも必要です。
今回の記事では、怒りの感情とアンガーマネジメントについて書いていきます。
そもそも感情とは何か?
感情に名前が付く仕組み
怒りについて知る前に、感情に名前がつく仕組みについて説明します。
自分の中に発生した感情の名前は、経験や与えられた知識によって付けられます。
幼稚園くらいの時に、服を着ようとしても袖がうまく通らず「うーっ」というようなもどかしい感じが湧いてくる。それを見た周囲の人が、
「上手く着られなくてイライラするよね」とか、
「怒っていたら上手く着られないよ」などど、その湧いてくるものの名前を言ってくれます。
やさしく遊んでくれた親戚の人と別れる時、もっと一緒に居たいと思うと喉や目に熱いものを感じてしまう。その時に
「お別れが悲しいのね」とか
「悲しくて泣きたい気分よね」などと教えてくれます。
他にも絵本を見て、怒った顔はこれ、笑った顔はこれ、ということを学習します。
このようにして、自分の感情に名前が付けられていきます。
感情が湧く理由
感情は、体が出したホルモンなどの生体反応を心がどう受け止め判断したかで決まります。
感情は湧くことで、生きる上でのメリットがあるために発生します。
不安や悲しみもそうです。怒りもそうです。
その感情を持つことで、過去に良い思いをした、問題が解決したなどの経験により自動的にその感情が湧くような生体反応を起こします。
怒りがもたらすメリットを例に出せば、
怒ったことで、謝ってもらえ気が済んだ、わがままが通った、などといった経験があるかもしれません。怒りを正義の鉄拳と感じ正義感を満たせたのかもしれません。
怒りの役割
怒りはストレスを知らせるセンサーのようなもので、生存本能の一種です。
危険から身を守るためのセンサーとして、自然界で実際に身を守るためにはその怒りを発し時には周囲に知らせる必要もあります。
ストレスに対抗する力にもなり、やる気や根気のエネルギーにもなります。
怒りは二次感情です!
元々は不安や恐怖、悲しみだったものから二次的に怒りが発生しています。
元々湧いた悲しみなどの感情では問題が解決しないから怒りで対処しようとします。
ただ、怒りで解決させることで問題が発生することがあります。
人間関係で問題が出る、自分自身が怒ることに疲れるなどです。
なのでアンガーマネージメントは、怒りを抑えたりごまかすのではなく、怒りを見つめ怒り以外の手段で問題を解決していくものです。
アンガーマネジメントの方法
体の仕組みからマネジメントする
ストレスホルモンであるコルチゾールは不摂生による体内の慢性炎症が原因で過剰分泌されます。
自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になり緊張状態が続いてもコルチゾールが多く放出されます。
コルチゾールが多く分泌されれば訳も分からない状態でイライラしやすくなります。
イライラを抑えようと甘い物がほしくなることがあります。甘いものを食べることで幸せホルモンであるセロトニンが分泌されイライラが治まるからです。
ですが甘い物の摂取による幸福感は一時的なものです。
急激に上がった血糖値はすぐに下がります。血糖値が急に下がれば交換神経が優位になりアドレナリンやノルアドレナリンを過剰に分泌させます。
闘争・逃走ホルモンとも言われるこの2つは怒りの原因になる上、交感神経が優位になったことで又イライラの元になるコルチゾールまでも多く分泌されます。
その結果
イライラする→甘い物を食べる→すぐにイライラする→もっと甘い物を食べる→さらにイライラする
という悪循環に陥ります。
健康と穏やかな気持ちは密接にかかわっています。
心理学的なアンガーマネジメントと同時に、体調を良くすることも気にかけてみてください。
腸内環境を良くしてセロトニンが正常に分泌されれば、メンタルが安定するので怒りが発生しにくくなります。
これも一種のアンガーマネジメントです。
心の仕組みからマネジメントする
アンガーコントロール法
怒りをマネジメントする方法には以下のものがあります。
- 自分の怒りの記録をとる
- 怒りの理由とメリットデメリットを考える
- 数秒待つ(怒りの衝動が治まるまで待つ)
- 怒りの強さを数値化する
- 怒りの目的を分析する
- コントロールにも限界があるので逃げる
「認知」「感情」「行動」を分けて考える。
認知行動療法では出来事を振り返り「ホットな認知」を探り出す ただ出来事を書き出し読み返すだけでは難しいので、より本格的に探っていきます。
強い怒りを感じた時にあった出来ごとを振り返る時に「認知」「感情」「行動」「結果」に分けて考えてみてください。
- 出来ごとー部下がミスをごまかすために嘘をついた
- 認知ー嘘はゆるせない、認めて謝るべき
- 感情ー激しい怒り
- 結果ー部下は謝りつつもショックを受けたようだ
ホットな認知
怒りのパターンを探っていくと、怒りを感じやすい共通点が見えてきます。
「嘘はゆるせない」
「ごまかしはダメだ」
といった心の表面ですぐに燃え上がる考えの事を「ホットな認知」もしくは自動思考といいます。怒りをコントロールするためにはこのホットな認知に気が付くことが重要です。
ホットな認知よりも奥底に眠っているものが信念です。
ルールや役割に重きをおき、破られた時に自動的に考えが生まれます。このような自動で反射的に浮かぶ考えを自動思考と言います。
- ホットな認知ー心の表面で反射的に生まれる認知、見直しやすい
- べき思考ー中間層にある認知、見直せる
- スキーマ ー心の奥底に固まっている信念
スキーマは育った環境によって形成されるもので、自分では気が付くことが難しい物です。
ですが、怒りの元となっているスキーマを発見することが怒りに囚われず楽になれる方法です。
怒りを抱えやすい人とは?
体(脳機能)と心の両方からの原因が考えられます。対策は自分の心の根っこに気が付くことです。
そのためにも上に書いた
ホットな認知→べき思考→スキーマ、と辿っていき、怒りの根本を見つめていく必用があります。
心の問題
自分は役立たずでダメなんだと心の奧で無自覚に感じていたとします。
家族に「この前のハンバーグ美味しかったからまた作ってね!」と言われた時、通常なら「褒めてもらえて嬉しい、また作って喜んでもらおう」と嬉しい気持ちになります。
ですが心の奥に「役立たずでダメ」を抱えていると「ハンバーグを作る回数が少ないと文句を言われた!」と、怒るが悲しく思います。
認知の歪み10パターンのどれかを抱えていても怒りが湧きやすくなります。
- 全か無かの思考→100点を取れないなら0点と同じ
- べき思考→自分は○○すべき、世間はこうあるべき
- 極端な一般化→ミスしたから今後もミスが続く
- 拡大解釈・過小評価→自分の失敗は大きく、成功は小さく評価する
- 感情の理由づけ→嫌な気持ちだから結果も嫌なものだ
- 自己関連づけ→何でも自分のせい
- 結論の飛躍→やっぱり嫌われている
- レッテル貼り→あの人は○○だから××に違いない
- マイナス化思考→褒められたけれどどうせお世辞だ
- 心のフィルター→悪い出来事ばかり抽出する
体の問題
虐待や体罰を受けた、親が喧嘩ばかりしていたなど、幼少から恐怖を感じる機会が多ければ、脳の偏桃体という、危険を知らせるアラームが必要以上に発達します。
これは危険に対する感受性が人より強いということです。
危険を感じればアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。この2つは闘争・逃走ホルモンと言われるもので、闘うか逃げるかのどちらかの行動につなげるものです。
闘争するべきと脳が判断すれば強い怒りに変わります。
不安を感じる機会が多ければ、脳がネガティブな判断をくだしやすくなります。脳の回路がそのように癖付きます。
このことでもストレスを強く感じるため怒りを抱えやすくなります。
まとめ
- 感情の名前の付け方は人に教えてもらったもの
- 感情は生体反応で湧くことでメリットがあるから発生する
- アンガーマネジメントは怒りの原因の根本を見ること
- 怒りが湧きやすい人は心の根っこにスキーマを抱えているから