この記事で書く「ドカ食いで太らないための食べ物」は、2つの意味があります。
1つ目は、ドカ食い(=過食)しても太らない食べ物です。
2つ目の意味は、ドカ食いしなくなる依存性の低い食べ物です。
最初は多く食べても太らないような食事に変え、最終的にはドカ食いをしないようにしていきます。
ポイントはとにかく加工食品を避けることです。難しいと感じるかもしれませんが、加工食品を避ければ過食から離れられることを、この記事で知っていただければと思います。
ドカ食いしたくなる食べ物は太る
以前、フードトラップという、食べ物依存症になる仕組みについて記事を書きました。
人の本能は餓死しないように設計されています。
食料が簡単に手に入るようになったのは人類の歴史から考えて極々最近のことです。食糧難の時期の方がはるかに長く、生存に有利な食べ物を摂っていた人が生き残ってきました。
そのために、カロリーが高い食べ物を進んで摂れば脳が喜ぶようになっています。
餓死しない、カロリーが高く太るような食べ物を摂れば脳がご褒美をくれる仕組みがあります。脳のご褒美は、ドーパミンやセロトニンといった幸せや快楽を感じる脳内物質を放出させることです。
カロリーが高く太りやすい食べ物を食べる→
餓死の危険がなくなるので脳がご褒美(報酬)を出す→
報酬=幸せな気持ちになる脳内物質がもらえる
という仕組みにより、人は太りやすい食べ物を美味しく感じるようになります。美味しく感じ過ぎて依存までしています。
逆に言えば、太りにくい食べ物=依存しないのでドカ食いをしない、ということです。
ドカ食いで太らない食べ物とは?
ドカ食いで太らないためには、空腹感が少なく依存性の低い食べ物を摂ることです。
その条件として
- 食事報酬が低い
- 栄養価(カロリーではない)が良質で高い
- 精製されていない
- 食物繊維が多い
この4つがポイントになります。以下、それぞれを解説していきます。
食事報酬が低い
ここでは、食事報酬が高い例を書いています。
過食は食事報酬が高いものを食べた結果起こります。
- 食事報酬が高いものは依存性があり食べ過ぎる
- 脂肪も糖も質が低いものが使用されているため体調が悪くなる
- 体脂肪が高くなった結果、さらに食事報酬の高いものを過食する
過食・肥満の原因は一言で言えば、ホルモンのバランスが崩れることです。
体調が悪くなる、体脂肪が増えるなどは、ホルモンバランスが崩れる大きな原因です。
塩・糖・脂肪で出来た食べ物は食事報酬が高くなります。
白ご飯(糖)よりも、チャーハン(塩・糖・脂肪)の方が食欲をそそるというのが一例です。
- 脂肪
- 糖分
- 塩分
- カロリー密度が高いもの
- グルタミン酸(インスタント出汁)
- 食品添加物
- 苦味がないもの
これらを使用していれば、食事報酬が高いと言われています。
超加工食品と言われる、シャンクフードやスナック菓子、ドーナツやラーメンなどが当てはまります。
以上の条件を避けたものが 食事報酬が低い 食べ物です。具体的な例として、パレオダイエットや地中海式ダイエットで推奨される食べ物ですが、後述します。
栄養価が良質で高い
空腹感が満たされない原因として、栄養不足があります。カロリーではなく栄養です。
炭水化物中心の食事は安いけれど栄養が摂れないので食べ過ぎてしまい太る、とも言われています。無理な食事制限で痩せようとして、反動でドカ食いするのは栄養が足りないからです。
空腹感を満たす栄養として
- タンパク質
- 良質な脂質
- ビタミン(B群)
- 必須ミネラル
をしっかり摂れば、カロリーが低くても空腹感はありません。
タンパク質
「科学者たちが語る食欲」という本では、「食欲はタンパク質に影響を受けている、十分なタンパク質量が摂取出来れば食欲は満たされる」という話が書かれています。
良質な脂質
脂質が不足すればストレスに弱くなる脳機能が低下するなどのデメリットがあります。ですが、サラダ油やゴマ油、マーガリン、マヨネーズなどに含まれるオメガ6ばかりを摂れば体調が悪くなります。
青魚に含まれるオメガ3、オリーブオイルやナッツ類に含まれるオメガ9を積極的に摂ります。鯖缶が便利で手軽です。
良い脂質を十分に摂れば、空腹を感じにくくなり食べ過ぎを防ぐことが出来ます。
ビタミン(B群)
ビタミンはどれも大切ですが、特にビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質からのエネルギー代謝過程に欠かせないものです。
必須ミネラル
ミネラル不足は免疫機能に悪影響を及ぼします。カロリー過多でもミネラルが不足しがちなので気を付けて摂る必要があります。
必須ミネラルは16種類で
主要ミネラル7種類:ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)
微量ミネラル9種類:クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、セレン(Se)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)
精製されていない
精製されていないものの方が良い理由は主に2つです。
- 代謝に必要な栄養も摂れる
- 未精製のモノは中毒になりにくい
代謝に必要な栄養も摂れる
白米は玄米から精製されています。玄米なら糖代謝に必要な栄養も摂れますが、白米はその必要なものを削り取っています。全粒粉と小麦粉も同じです。
白米なら、糖代謝に必要な栄養を他から補うしかないので栄養不足になります。
未精製のものは中毒になりにくい
少し極端な例を出します。コカインの元になるコカの葉は高山病の薬として使用したり嗜好品として嗜まれたりします。未精製の状態では依存度は低いようです。
ですがそれを精製してコカインにすれば、依存性の極めて高い麻薬になります。
食物繊維が多い
食物繊維の多い食べ物はカロリーが低くても満腹感があります。糖を吸収する速度を遅くするため、空腹を感じにくくする役割があります。
血糖値が急に上がれば、それを抑えるためにインスリンが分泌され、血糖値が下がります。空腹感は血糖値が下がると起きるので、食物繊維はそれを防いでくれます。
腸内環境を良くする働きがあり、体調が良くなれば食欲が正常に働きます。
ドカ食いで太らないための食べ物ガイド
ドカ食いで太るのはセットポイントが狂っているから
食物報酬が高い食べ物を多く摂れば、脳が快楽を得るために食べるようになります。
これはセットポイントが狂う原因にもなります。セットポイントは、脳が決めた適性体重です。
身長が160㎝として適性体重が54㎏だとします(BMI21)。健康ならその前後くらいの体重が保たれます。食べ過ぎてオーバーしそうになれば自然に食欲が落ち体重はセーブされます。
ですがセットポイントが狂えば、70㎏くらいを適性体重と設定するかもしれません。そうなれば70㎏になるまで常に空腹感で食べ続けます。これも過食の原因になります。
ホルモンバランスを保ち、セットポイントを狂わせない食事が「ドカ食いで太らない」ものです。
食事報酬が低い食べ物
パレオダイエットを主に参照しています。
具体的に推奨される食べ物は
- 加工されていない肉類(ハムなどは×)
- サーモン、サバ、イワシ、ニシンなどオメガ3の多い食材
- 野菜を多く
- フルーツ類(食物繊維が多く抗酸化作用が高い)
- タマゴ
- 根菜類(ジャガイモ、サツマイモなど質の良い炭水化物が摂れる)
- 発酵食品(納豆やヨーグルトなど)
です。
発酵食品と、加工されていない素材そのものの食品をガンガン食べるという認識でOKです。
調理方にも注意があります。食事報酬が少ないようにしなければいけません。
油で揚げるのはNGです。味付けも人工的な調味料を避けます。シンプルな、塩や酢、スパイス類にしますが、塩分が高すぎるもの報酬になるので注意します。
食事報酬が高いから過食するので、これぐらい快楽を避ければ大丈夫です。
避けた方が良い物は、特に加工食品です。
ファストフードやスナック菓子などの超加工食品は論外として、例えばカマボコも加工食品です。素材の形がハッキリわからないものは買わないのが基本です。食品添加物も健康を害します。
その他、料理用の植物油(サラダ油など)、清涼飲料水、小麦粉を使ったもの(グルテンが中毒を起こす)人工甘味料など。
完全にブロックするのは難しいので、摂るものの1割以内に抑えるのを目標にします。
味気ないと感じるかもしれません。ですが慣れてくればこちらの方が美味しく感じてきます。体に良い物を美味しく感じるのが本来の本能なはずです。
まとめ
- 食事によって快楽を得られる食事報酬が高いものは太りやすい
- 食事報酬が低く栄養価の高いものは多く食べても太りにくい
- 食事報酬が低いものを食べればドカ食いしなくなる
- ドカ食いしなくなる食事
- 加工されていない素材をシンプルに調理する
- 調味料もシンプルにする
- 発酵食品を積極的に摂る
- とにかく加工食品を避けるのがドカ食いを回避するポイント