インテグラル理論が大好きです。
出会った時の衝撃は、雷に打たれたほどのものです。
インテグラル理論を専門的に取り扱う、臨床心理の世界で活用するなど、そのような実践をされている方の話をうかがう機会が何度かありました。
その度に、凄いなーと思ってワクワクして聞かせていただいています。
それと同時に、私のように単純な興味から学んでいるだけでも、活用できるものと感じています。
インテグラル理論を、企業や専門的な心理学のものだけにするのはもったいない、という気持ちから今回の記事を書きました。
インテグラル理論の活用方法
多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル
このタイトルの本が出版されています。
- 人間や組織、社会の複雑性を読み解き、統合的に捉えるための地図
- 会社の在り方を知り、人材育成にも役立てる
- 現代社会を充実して生きていくための実践法の提示
- メタシステムにより、システムを統合し可能性を広げる
インテグラル理論は、何に使えるのか? どう使うのか? と問われれば、上のような解答になると思います。
そして実際に、そのような活用をされ、採用する企業も増えているようです。
インテグラル理論を現場で活用する難しさ
インテグラル理論のフレームワークを使い、コーチングや問題解決の提示をします。ですが、それが出来るのは、フレームの提示はインテグラル理論だけではありません。
解決策を提示する側は、多くのフレームを持っていて、その人その状況に適したものを提示していかなければいけません。
そして、インテグラル理論のフレームが適している人は、そんなに多くはいないようです。
日常でのインテグラル理論活用法
私の「日常でのインテグラル理論活用法」は、心を守ることと、苦しみからの離脱です。
- 世の中の違った押し付けにNOと言える後押しとしての理論
- 長年疑問を抱え、苦しんでいたことからの解放
- 自分を取り巻く状況を俯瞰(ふかん)的に理解し危機管理が出来る
- 自分が抱えている問題の解決方法を知る
これらのことが、インテグラル理論を学んでいけば得られます。
めっちゃ役に立っていますよね!
これだけ個人的に効果があれば、「日常で」充分過ぎるほど活用できるものだと思います。
私が出したインテグラル理論はどう活用できるのか?の「1つ」の結論は、
学んで個人的に実践すれば、生きることの苦しみを減らせる、という事です。
以下、それについて書いていきます。
発達し過ぎた生きづらさの解消
インテグラル理論の発達区分は簡単に書くと以下のようになります。
レッド:自分の価値観が中心の子どもっぽい人
アンバー:社会や組織に忠実で自分の意見を抑える人
オレンジ:目標に向かって生き生きと進み、みんなを引っ張る人
グリーン:全てのものを認め受け入れる人、システムの理解段階
ティール:高い俯瞰力を身に着け、初歩的なシステムが構築できる
現在の社会は、オレンジ段階にとって生きやすいようにできています。
それよりも進んでいなければ、利用される立場になりやすく、心地よい生き方を選びにくくなっています。
それ以上に進んでいれば、気付きによって生きづらくなるなる上、苦労を背負い込みます。
インテグラル理論は、オレンジよりも進んでしまった、グリーンやティールの段階への生きる道しるべになり得ます。
抱えていた矛盾への解答
世の中は矛盾だらけです。
相反するものが同時に存在するのは、当たり前のことです。何もかも一致してしまえば、逆に世の中は不安定になります。
インテグラル理論を学べば、矛盾が存在する理由が見えてきます。
矛盾している状態が必要なこと、言い換えれば矛盾しているから矛盾していない、と知ることで心のわだかまりが解けていきます。
精神性への理解
スピリチュアルと聞くと怪しい感じですが、スピリチュアリティって、日本でのあつかわれ方はかなり特殊です。
スピリチュアルは日本でガラパゴス化していると言われています。
日本の中だけで独特の発達をしたものが、世界標準のものとはかけ離れたものになり、適合できずに淘汰(とうた)されたりするような事態に陥っている、という意味です。
敬虔な神父がいたとします。神と共に生きることを誓い、毎日祈りを捧げます。教会にくる人の相談に真剣に答え、人の幸せや平和を願い、ボランティア活動にも力を入れます。
それを「あの神父さんはスピリチュアルだ」と言います。
それを日本で「あの神父さんって、スピ系だしー」と言いますか? ということです。
スピリチュアリティ、精神性と日常の関係。瞑想で得られるものと現実の意味。
これを学問的に説明している場所は、まだまだ少ないと感じています。
インテグラル理論では、心、魂、精神の関係や、どう到達していくかを教えてくれます。
心って、心だけで独立していませんよね。体との関係もあります。体調が悪ければ、心にも悪影響が出るとかそんな感じです。
同じように、インテグラル理論で解説された魂についてを知ることで、心の問題が解決することも少なくありません。
2つ以上の理論の統合
理論の元になるものの強化
1つのものごとに対し、2つ以上の理論や説が存在するのは、よくあることです。
例えば、
歴史好きと別の趣味持ちよりも、歴史好き同士の方が付き詰めた考えの相違が出てきます。
ましてや邪馬台国の研究に興味が深く、自分が「九州説」で相手が「畿内説」ならば、取っ組み合いのケンカに発展するかもしれません。
同じことが好きなのに、理論や説の違いでわだかまりが出来てしまうのも、おかしな話です。
その理論や説を認め合うことで、元の出来事を強化できます。
邪馬台国ならば、もし九州説が完膚なきまで否定されるような証拠が提示されれば、邪馬台国の存在さえも危ぶまれます。
畿内説があれば、九州説の否定=邪馬台国そのものの否定、には直結しません。
このように、2つ以上の意見への理解ができるようになります。自分の考えと違うものが提示されれば、感心だったり違和感だったり、何らかの大きな反応が出ます。時には「怒り」も生まれます。
それを違和感なく受け入れる考え方が持てるので、楽になります。
マズローのハンマーから身を守れる
マズローのハンマーという言葉があります。
自分がハンマーしか持っていなければ、目の前の物がすべて釘、叩くものに見えてくるという考えです。ハンマーしか持っていない人にスマホの修理を依頼すれば、叩き割られます。
このように、目に見えて明らかなことでは、そんなに起きる出来事ではありません。
ですが見えない世界、心の問題、気の世界やエナジーワークなどでは、このマズローのハンマーに砕かれる例が少なくありません。
理論で大切なのは、これによって何が出来ないか、何が不可能なのかを理解できているかどうかです。
ですが、世の中にはそれが出来ていない場が多くあります。その結果、悪気なくマズローのハンマーでぶん殴られます。
理論自体が不完全にもかかわらず、それが全てと思い込み実行させられます。
問題の多くは金銭で解決できますが、金銭で全ては解決できませんよね。
ですが「お金で全ては解決できない」と言えば
「でもお金は必要でしょ」
「そう言うのなら、お金なしでやってみればいい」
と返されるのが、マズローのハンマーです。
それに対し、極論の危険性や視野の狭さについて、言語化の助けをくれるのがインテグラル理論です。
統合することで完成度が増し、可能性も広がる
何かの得意分野をシステムとして持っていても、それを通して世界を見た時に、「見えなくなる部分」というのが出来てきます。
フレームというものは、どう世界を見ていくかの指標になる一方、偏りに繋がります。
これについて、「専門のフレームに収めようとすれば、見えなくなってくる現実も存在する」と説明されています。
なので、別のフレームも取り入れて視野を広げます。方法として以下の手順を踏みます。
- 自分のフレームワークやシステムだけでは限界があると自覚する
- 違ったシステムを学んだり取り入れたりする(それが自分に向いているかも吟味する)
- そのうち独立した2つのシステムが繋がってくる
- エマージェントゾーン:2つが重なった部分に何かが発生している気付き
独立したシステム同士が組み合わさることで、新しい効果・能力が生まれます。
何かの問題が発生した時に、
これには、どの解決法をあてはめようかな?と、考えます。
それがインテグラル理論では
「どれとどれの、どの組み合わせの解決方法を使おうかな?」と、なります。
この、3つのシステムを組み合わせるための、外側の大きな円がメタスステムであり、このメタシステムを提示しているのが、インテグラル理論です。
何か大きなものごとを成しえようとする時だけではなく、どの方向に自分は進もうとか、今抱えている悩みをどう解決しようとか、個人の問題でも使える考え方です。
まとめ
何かに疑問を持って、考えても考えても、答えが出ないことがあります。それは思いのほか、苦しい状態です。
インテグラル理論を学ぶたびに、今でもその苦しみが解けています。
考え込んでしまう癖のある方には、是非学んでいただきたい理論です。