十分に食べたはずなのに、ほんの数時間でお腹が空いてしまう。
食べた直後はお腹一杯で苦しくて「これだけ食べたのだから今日はもう何もいらない」と思っていたのに、何時間か後に同じくらいの量を食べてしまう。
これを毎日繰り返せば完全な過食です。
そして、過食のパターンとしてありがちなものでもあります。
今回の記事では、すぐお腹が空くのを防ぐための「代謝柔軟性」について書いていきます。
「代謝柔軟性」とは
「代謝柔軟性」とは何か?
エネルギー源を「糖」と「脂肪」の間で切り替え出来る能力のことです。
食べて数時間後に、糖がエネルギー源として使われたりインスリンにより脂肪に変換されるなどで血糖値が下がります。
その場合、 代謝柔軟性が高ければスムーズに脂肪をエネルギーとして使い活動が続けられます。
代謝柔軟性が低ければ、変換できるエネルギーがないために、脳が「エネルギーが足りないから何かを食べろ」という指令を出すので、お腹が空いたと感じます。
代謝柔軟性が正常なら、急に我慢できないような空腹を感じることはありません。
同じ空腹でも、心地よい空腹を感じることが出来ます。体が軽い、頭が冴える、集中力が発揮できるような類のものです。
「代謝柔軟性」が下がる原因
精製された炭水化物、糖をはじめ、ファストフードやスナック菓子などの超加工食品を食べれば、血糖値が急に上がります。
血糖値が急に高くなれば、下げるためにインスリンが多く分泌されます。
急に血糖値が下がれば生命の危機なので、空腹を強く感じて何かを食べます。
その食べた「何か」が血糖値の上がりやすいものの場合、インスリンが過剰に分泌され血糖値が下がりすぐにお腹が空きます。
これを繰り返すとどうなるか、ですが
人の体は飢餓に備えて設計されているので、蓄えた脂肪を使いたくありません。お腹がすいたと脳が指令を出せば何かを食べてくれるなら、脂肪を使わなくて済みます。
こうしてどんどん糖を摂取することで体の機能が甘やかされ、 代謝柔軟性が下がります。
代謝柔軟性を上げる方法
血糖値を急に上げない
先にも書いたように、血糖値が急に下がることで我慢できないような空腹感を覚えます。
脳が食欲に対しバグをおこしているようなものです。
その食欲に従って食べ続ければ、脂肪を栄養として使う間もないので代謝柔軟性が下がります。
食べ過ぎも血糖値を急に上げる原因です。
内臓脂肪を減らす
インスリン抵抗性という、インスリンが効きにくい状態があります。インスリンは十分に分泌されているのにその効果が発揮できていません。
エネルギー代謝の切り替えは、インスリンの分泌量によって行われます。
ですがインスリンが正常に機能しない状態ではその切り替えが上手くできません。
インスリン抵抗性の原因としてあるのが、食べ過ぎや運動不足と共に、内臓脂肪の多さがあります。
脂肪が多ければホルモンバランスが崩れ、よりお腹が空きやすくなるので食べ過ぎの原因にもなります。
運動をする
運動をするのもインスリンの効きを良くする方法です。
有酸素運動をすれば、糖→脂肪へのエネルギー切り替えにもなるので、 代謝柔軟性の活性化にもつながります。
筋肉は糖質や脂質を取り込み代謝に使うので、筋肉を付けることで、糖代謝や脂質代謝がスムーズにいくようにもなります。
プチ断食/ファスティング
インスリンの効きを良くするほかに、狂った食欲をリセット出来るので効果的です。
いきなり本格的なものを始めると慣れないため具合が悪くなることもあります。
- 三食以外でカロリーを摂らない
- 朝食か夕食を抜く
- 16時間何も食べない
- 一日一食にする
といった感じに徐々に食べない時間を増やしていけば無理なく取り組めます。
まとめ
- 代謝柔軟性とは、エネルギー源を糖と脂肪のどちらにでも切り替えられる能力のこと
- 代謝柔軟性を上げるためには
- 血糖値が上がりやすいものを食べない
- 内臓脂肪を減らす
- 運動をする
- プチ断食/ファスティングをする
規則正しく適量を食べている時よりも食べ過ぎた時の方がお腹が空きやすいのはこのためです。