こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
エンパスとサイコパスはよく比較の対象になります。
たとえば
- エンパスの反対がサイコパス
- エンパスとサイコパスは紙一重
などです。
ですが、エンパスとサイコパスは定義が違うものです。
なので、エンパス・サイコパスのどちらにも当てはまらない人もいれば、エンパスとサイコパスの両方を兼ねている場合もあります。
エンパス・サイコパスを同じ定義で考えたとき、意外にも「自分はエンパスなのかサイコパスなのか」と悩むエンパスがいます。
今回の記事は、自分はサイコパスかもと悩むエンパスの人が、実際はどうなのか判断するヒントになればと思い書いています。
サイコパスとエンパスの違いとは?
サイコパスは相手の気持ちに鈍感、エンパスは敏感なので真逆だと言われます。ですが概念が違うので、逆・似ているという比較さえ出来ないものです。
一言で書くと
- サイコパス=脳機能が人と違う
- エンパス=共感性が高いと言う気質
です。
サイコパスとは?
サイコパスは先天的な脳機能の障害を持っています。
簡単に書けば、脳の扁桃体(感情の処理にかかわる部分)が不具合を起こしている状態です。
健常な人の脳と比べ、サイコパスは前頭眼窩皮質と扁桃体周囲の活動が低下しています。そのことで衝動的になりやすく、感情の共有に支障が出るとされています。
情動への認知機能は低いにもかかわらず、理性的な認知は正常なので、人の気持ちよりも損得を優先する傾向がでます。
ですが、この要素だけではサイコパスと言われ問題視されることはありません。
この脳機能の問題がある上で、
- 衝動性が抑えられない
- 保護者の問題(ネグレクトや厳しいしつけなど)
- IQの問題
- 学習障害
などで素行障害や行為障害があって初めて「サイコパス」と問題視されます。
素行障害には以下の症状があります。
- 人や動物に対し残酷な行動をする
- 他人の所有物を壊す
- 人に嘘をつく・物を盗む
- ルールや道徳の違反
「いわゆるサイコパス」的なイメージが強いものかもしれません。これらの行動に対し葛藤が少ないのがサイコパスの脳の特徴でもあります。
ただ、サイコパスだからといって平気で嘘をつく、残酷な行動をするとは限りません。
嘘をつけば得をする場面で、嘘をつくことに対し抵抗がなくても、嘘をつくか正直に言うかは人によって違うと言う実験データもあります。
67名のサイコパスの被験者にMRIに入ってもらいながら「コイントスの課題」をしてもらうという実験です。
コイントスの結果予想をしてもらい、嘘をつけば金銭的に得をする条件下でどう回答するのかと脳の反応を見るというものです。
結果は
- サイコパス傾向が高い人は、ズルをして嘘をつくときの反応時間が速い(嘘をつくことへの葛藤が少ない)
- サイコパス傾向が高いほどズルする割合が高いという結果は出なかった(サイコパスだから嘘をつくというわけではない)
というものでした。つまり
サイコパスはためらいなく嘘をつけるが、嘘をつくとは限らない、ということです。
この感情の薄さは長所にもなります。
よく言われるのは、企業の経営者、外科医、警察官、弁護士などの情に流されず決断しなければいけない職業はサイコパスが向いているということです。
通常なら、1人を助けるか5人を救うかという決断に迫られた時、何も動けず6人ともを犠牲にするかもしれません。なんとか決断出来てもその後の心労で寝込むかもしれません。
サイコパスなら、決断の時に脳の疲弊が少ないので耐えることができます。
エンパスとは?
エンパスとは、共感性が高く外部のものを受け取るという生まれ持った気質です。
外部のものを受け取りますが、受け取ったものを正しく判断・分析・理解できるかは経験や訓練が必要なので、エンパス=人の気持ちが分かるというものではありません。
ですが、意識では理解出来ない、言語化出来なかったとしても無意識では受け取っています。
エンパスは人の辛さが分かるので誰にでも優しいのかといえば、そうとも限りません。
分かっているのと実際に手助けするのは違います。
人を助けたことで逆に悪いことが起きたという経験を繰り返せば、何もしない方が良いと思い気軽叶いフリをすることもよくあります。
エンパスがサイコパスと思われる理由
エンパスは自分の気持ちが湧かないから
エンパスは受け取る気質なので、自分から何かが湧くということはありません。つまり、気持ちが湧くということがないわけです。
自分の中で湧いた気持ちと思っても、人に共感し受け取ったものな場合が多くあります。
その他にも自分から湧いた気持ちと勘違いしやすいものは
- 本能により湧いたもの
- 人の無意識を受け取り自分の気持ちと勘違いする
- 集合的無意識を受け取り自分の気持ちと勘違いする
- 人の押し付け・期待を自分の意志と勘違いする
- 世間の常識(超自我)を自分の望みと勘違いする
- 過去のトラウマから発生した危機感
などです。
自分の内面を見つめて、自分の気持ちと人のものの区別がつくようになれば、自分には感情が湧いてこないと気付くようになります。
サイコパスは無感情というイメージが強いので、感情が湧かない自分は優しいフリをしたサイコパスなのかなと、まず自分で自分をサイコパスと疑うかもしれません。
エンパスの感情が動く時はかなりの体力を使います。エンパスは体力がない場合が多いので、なるべく体力を節約しようと感情的にならずに大人しくしている場合もあります。
その場合は、常に冷静な人だと思われますが、冷静過ぎて感情があることが想像できないとさえ思われることもあります。
エンパスは受け取り過ぎて疲れやすいのが問題なのに、感情が湧かないという質を「自分は共感能力が低い」と思いより共感しようと思えば疲れます。
自分がサイコパスと思う理由が、実際に脳機能なのか湧かない気質をそう勘違いしているのかをよく注意して考えてみてください。
ダークエンパスという存在
ダークトライアドと言われる、他者に苦痛や損害を与えるなどの問題が多いとされる人格があります。反社会性パーソナリティ障害とも言われます。
ダークトライアドとは
- マキャベリスト:目的のためなら手段を選ず人を利用する
- ナルシスト:自尊心が非常に高く自己中心的
- サイコパス:他人に共感や罪悪感を持たない
この3つを兼ね備えたものです。
このダークトライアドにエンパスの気質が加わった人物をダークエンパスと呼びます。
なのでエンパスの人に対し、この人はダークなのか否か!? という疑問を持つ人が出てきます。
ですが、自分はダークエンパスだと悩む人ならまずダークエンパスではないので安心していただきたいと思います。
まとめ
- サイコパスは脳機能の不具合
- エンパスは共感力が高い気質
- エンパスをサイコパスと思う理由
- エンパスは受信型なので自分の感情が湧かないから
- ダークえんぱすという存在