徳とカルマの法則で考えれば、自慢話はけっこう怖いものです。
そんな話をしている現場に出くわせば
心の中でこんな表情になります。
体験談とか努力した過程とかそういうものではなく、自慢がメインのものを指しています。
明るく前向きな話や爽快な武勇伝との差は、何を思って(目的にして)話しているかではないでしょうか。
自慢話の体(てい)で、必要な話をするパターンもありますが、それも別物と判断します。
今回の記事では、自慢話をする心理や対処法とともに、自慢話が怖い理由を書いていきます。
自慢話をする心理とは?
承認欲求が強い
下の図は、マズローの欲求5段階説です。
この5つの欲求を簡単に説明すると
- 生理的欲求:食事・睡眠・排泄・性的欲求などの基本的な欲求
- 安全の欲求:危険や恐怖を避け、安全・安心に暮らしたいという欲求
- 所属と愛の欲求:家族、友人、地域、会社や学校等、人と繋がりを求め、団体へ属したい欲求
- 承認の欲求:尊敬や高い評価を得たい欲求 (ここまでが欠乏欲求)
- 自己実現の欲求:自分自身の為の成長や自分らしさを目指す欲求(成長欲求)
承認の欲求は、
- 他者承認欲求(他人から認められたい)
- 自己承認欲求(自分で自分を認めたい)
の、2つに分かれます。
自慢話は他者承認欲求によるものです。
「認めて! 褒めて! 尊敬して!」 という欠乏欲求です。足りないから欲しています。
精神性が未発達
同じような自慢話を、誰彼かまわずにする人は、ロバートキーガンの成人発達理論でいうところの、
発達段階2:道具主義的段階(利己的段階)にあたります。
・発達段階2→まだまだ子供
・発達段階3→我慢を覚えて空気を読み大人になった
・発達段階4→みんなを引っ張る頼もしい大人
・発達段階5→酸いも甘いも噛み分けた大人
なので、自慢話ばかりをする人を見たら、心はお子様なんだなと生暖かく眺めてください。
自信がない
自分に自信があれば、自慢話を繰り返しません。
自分に自信があれば、自慢話をして認めてもらう必要がないからです。自分で自分を認めているので満たされています。
繰り返す理由として
- 人から「凄い人」「立派な人」と思われたい
- 自分で自分を「凄い人」「立派な人」と思い込みたい
というものがあります。
周囲に自分の力を誇示し、劣等感を打ち消そうとしています。
自慢話を聞くと疲れる理由
エネルギーを奪われるからです。
自分で自分を認められないから、代わりに人に認めてもらいたくて自慢話をします。
なので、聞かされた側は本人の代わりに認めてあげる、つまりポジティブなエネルギーをあげなければいけません。
話をしっかり聞く事で気を合わせてしまい、お互いの気が循環し合い、エネルギーを奪われます。
自慢話の対処法
愚痴の対処法と同じような方法になります。
- 聞かないようにする
- 気を合わせないようにする
- 嫌なものを外に出す
愚痴も自慢話も、エネルギーを奪い、嫌な気を押し付けてくる点では一緒です。
自慢話の嫌な気には
- 自信がないのに立派な人物と思い込みたい歪んだ認知
- 人を利用していい気分になろうとする自己中心的な考え
- 自分は優れているという選民意識
といったものがあります。
自慢話が怖い理由
敬遠される
自慢話を聞かされれば、エネルギーが奪われます。
「自分は上だ、立派だ」と誇示する意味もあるので、マウンティングされているようなものです。
自分に害を与える人とは距離を置きたくなります。なので敬遠されます。
騙される・利用される
自慢話ばかりする人は、自分は偉くて他人はダメだと思い込んでいます。
そのような人が信用できるのは「自分を高く評価する人物」「自分を頼りに思う人物」です。
なので、自分を褒めちぎり、頼りにしてくるような言動をする人物を信用します。それが演技でもバレません。
セールスや詐欺師にとって、とても都合がよく騙しやすいタイプです。
本当に怖い自慢話
「徳とカルマの法則」というものがあります。
徳とは、良いエネルギーのことです。
良いことをして、人の役に立つと貯まってきます。良いことが起これば消費されます。消費するよりも貯める量が多いと徳がどんどん貯まります。
良いエネルギーは同質な物を呼び寄せるので、周囲に良いエネルギーが集まってきます。
カルマとは、悪いエネルギーのことです。
悪いことや迷惑な行為をしていくと溜まります。嫌な目にあっても我慢すると消費(清算)されていきます。
悪いエネルギーも同質の物を呼びます。機嫌が悪くなりやすく、体調を崩しやすくもなります。
徳は、良いことが起こればその分なくなります。
聞いてもらいたい自慢を話し、「凄いね」「さすが」と褒めてもらったりします。これで「良い気分」になります。
結果、良いことが起こったので徳を消費しています。接客のお店なら対価をお金で払っていますが、ただ聞いてもらっている場合は、自分の徳を支払わなければいけません。
1度くらいなら、まだ大した徳の消費ではありません。
何度も繰り返す、色んな人に聞いてもらう、大勢の前で話す、ネットで自慢をするなどの要素が重なると、かなりの量の消費です。
ですが自慢話を続ける人は、その快楽に対して中毒になっていて、依存してしまっている状態だと思われます。
依存はカルマを生みます。
なので自慢話は、徳を消費しカルマを生むという、損でしかない行動です。
カルマがあれば悪いことが起こりますが、通常は左の図のように、持っている徳でカルマの発動を抑えています。
自慢話をしてその快楽に依存すれば、右の図のようにカルマの量が徳よりも多くなります。結果カルマが発動し、悪いことが起こり始めます。
ありがちなパターンとしては、良い人が離れていき、都合よく利用する人ばかりが集まり、用済みになれば捨てられるというものです。
「調子乗りだけれどそんなに悪い人ではないのに」と評される人が落ちぶれていくのは、徳を消費し過ぎているからです。
普段から世のため人のために尽くしているなら徳が多いので大丈夫ですが、そうでないのなら
自慢話をすればするほど、どんどん不幸になるというのが見えない世界の法則です。
まとめ
無計画な自慢話は控えてほしいと思っています。
そんなことで徳を消費するのは、あまりにももったいないです。
自分の功績を否定しろ、過小評価しろという意味ではありません。それは自分否定になるので良くありません。(陰徳を狙って積むためならOKです)
マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズローが提唱する説です。「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮定に基づき、人間の欲求を5段階層で理論化しています。