こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
無意識は心の中の認識できない部分です。
今回の記事では、その認識できない無意識をどのように意識化できるのかについて書いていきます。(フォーカシングと呼ばれる、無意識を意識化する技法と訓練があるのでタイトルに「確実」という言葉を入れています)
無意識を意識化するとは?
無意識を意識化する意味は?
- 無意識下に抑圧されている感情やトラウマの解放
- 思い込みや偏見、歪んだ思考の癖をなくす
- ストレスや不安の原因が分かる
- 悩んでいる時に正しい選択ができる
- 自分の目標や進む方法が分かる
など、無意識が意識化すれば生きていくのがかなり楽になり、充実したものになっていきます。
無意識を意識化するための「検索」
意識がパソコンやスマホなら、無意識はインターネットのようなものです。
インターネットに繋がれば、様々なものを検索して知ることが出来ます。繋がらなければパソコンやスマホに保存した情報だけになります。
インターネットに繋ぐのは、意識から無意識へのアクセスのようなものです。
「うーーん?何だったかな?」といった感じで意識の奥の方を探っていくのがネットに繋いで「検索」している状態です。
その検索のやり方について下に書いていきます。
無意識を意識化する確実な方法
無意識の情報は体にもある
無意識には多くの情報や経験、知識が保管されています。
そのような情報は脳にだけ存在するというイメージを持たれているかもしれません。
ですが、実際は「体」にも多くの情報があります。
体が情報のデータバンクといっても差し支えないほどです。
例を挙げます。
自転車の乗り方を習得すれば無意識に漕げるようになります。いちいち体のバランスや左右の足の動きを意識しません。
昔ピアノを弾いていた人が、数年ぶりに練習したとします。最初は少し戸惑いますが、すぐに思い出してどんどん昔のように演奏出来るようになります。体が覚えているからです。
頭を強打して記憶が一時期飛んだとしても、固有名詞は忘れてもお箸の使い方は覚えています。
無意識の情報が多くある上に、意識から一番アクセスしやすい場所が体であり体感です。
意識から無意識へのアクセスは「体感」から
人の知識は意識からはアクセスできない場所にも貯蔵されています。その情報は体感の変化を通じて知ることが出来ます。
感情は体の変化を脳が認識することで発生しています。認知できない細かな感情も、体感を認識し言語化することで意識化できます。
無意識の意識化は「気付き」と言い換えられます。
「見抜く、勘付く、理解、認識、発見、察知」
などの気付きは
「かぎ分ける、見付ける、感じ取る、感知する、知覚する、感受する」
といったような、内外からの刺激を五感や感覚(=体感)を元にしたものが多くあります。
気付き、つまり無意識を意識化するためには、体感にフォーカスを合わせれば良いということです。
無意識を意識化するための体感
体感を意識することが無意識とアクセスする第一歩です。
- 気が付かない感情は体感で気付くことが出来る
- 体感が意識に教えてくれることは何か?を探る
- 分かりやすい体感を経験し応用する
感情・情動は生体反応によって発生するものと認識する
感情や情動は生命、つまり肉体が生き残るために発生しています。
生き残るのに不都合なことについては、不快(怒りや悲しみ、不安など)を発生させ、必要なことには、快(喜びや幸福感など)を起こします。
本能に基づいたものですね。
感情が「嫌だ」と思えば避けるので、生き残る確率が上がります。その「嫌だ」を無意識に抑圧すれば、ストレスが溜まり体調が悪くなります。
フロイトの精神分析では、心の本能欲求の部分をエス(イド)と呼び、無意識の多くを占めているとされています。
無意識を知るためには感情を認識する、感情を理解するためには体感の変化に注目するのが近道です。
自分の意識と体感が違う時、体感を優先してみる
ある趣味サークルに参加していたとします。
「みんな親切ないい人達ばかり、趣味もまだ初心者だけれど楽しい」と「意識」では思っています。
ですが、そのサークル活動に参加した次の日にはどっと疲れて体が重く感じる、サークル活動の日には気持ちが沈む、前日には何故か頭が痛くなるなど、体の調子を崩すとします。
意識ではサークルが楽しいと思っているので
「慣れていないから体がペースをつかめていないのかな?」
「まだ緊張しているのかな?」
「嬉しくて気持ちが高まり過ぎているのかな?」
など、体の調子が悪くなることに対し何か言い訳を考え、納得しようとします。
さらには
「こんなに良くしてもらっているんだから幸せなはず」
「サークルが負担になっているはずがない」
「趣味を持って楽しんでいなければ良い人生とはいえない」
など、意識が無意識に対し説得をしはじめます。「自分に言い聞かせる」状態です。これも意識と無意識を分断する抑圧です。
そんな状態から、意識を優先するのではなく、無意識の不満を意識に教えてくれているのではないかと、体感を優先してみてください。
もしかしたら
- 趣味自体が体面を気にしたもので、無意識では嫌だと思っている
- 親切にしてもらうことを無意識では負担に感じている
- 周囲が良い人なので、自分も良い人になろうと無理し過ぎている
- 周囲が楽しそうにしているので、自分も楽しんでいると思い込んでいる
など、無意識下では嫌だと感じていたり無理をして疲れていることに気が付いていないのかもしれません。
心のモヤモヤを意識してみる
たとえば食べ物で玉ねぎが嫌いだとします。特に生のものが嫌だとして、あえて「玉ねぎスライスサラダって美味しい!」と独り言で言ってみます。
職場の上司でパワハラ気味で苦手な○○部長が居たとして、仕事に行く前に「○○部長と会うのが楽しみだ」と心で思ってみます。
この時に体感の変化に注目してください。
実際の気持ちとは違うことを思うと、胃や胸のあたりがモヤモヤしたりムカムカすることがあります。人によっては眉間あたりがザワザワするかもしれません。
この感覚を覚えておけば、胸のあたりに同じようなモヤモヤを感じれば、自分は今、無意識が思っていることとは違うことを言っているんだと気が付けます。
自分の胸に聞いてみる、という状態です。
自分の体感覚の把握に慣れていない場合は多少の練習が必要です。それでも体感に注目する癖付けをしていればかなり無意識とアクセスしやすくなります。
モヤモヤの他にも、理由は思い当たらないけれど何か引っかかる感じや腑に落ちないなども、体感が意識に何かを伝えている場合があります。
無意識をとことん意識化するための「フォーカシング」
少し専門的な話になるので、詳しくはフォーカシングの記事を書き次第リンクを貼ります。心の不調に悩んでおられる方にはかなり有用な方法と思われますので是非読んでみてください。
フォーカシングとは
フォーカシングとは、アメリカの臨床心理学者ユージン・ジェンドリン(Eugene Tovio Gendlin)が提唱・理論化したカウンセリングの技法です。
簡単に書けば、胸のあたりにある言葉にも出来ないような微細な体感(フェルトセンス)を丁寧に感じ取り、探り、言語化や意識化するものです。
フォーカシングには大きく2通りの使い方があります。
- カウンセラー側が依頼人の無意識・心の声を聞くもの
- 依頼人にフォーカシングの方法を伝え回復の手助けをするもの
1.は、依頼人の心の声を聞き伝えるものです。
2.は、いくら良いカウンセリングを受けても依頼人自身が自分の心の声を聞けなければ回復出来ないという研究結果に基づいた、回復に必要な方法です。
フォーカシングの方法
フォーカシングには訓練、習得する方法があります。
フォーカシングはこの3ステップで行います。
- 心の中のざわつきやイライラなど強い感情に呑まれている時はまず落ち着く
- 主体と感情の距離をとる(例:足が痛くて辛い→今自分は足が痛くて辛い状態なんだな)
- 微細な体感(フェルトセンス)を丁寧に感じ取っていき、イメージ化や言語化をする
体感にフォーカスする訓練は、ボディ・スキャン瞑想で行います。
足の裏からふくらはぎと、その場所の感覚を確認しながら意識を少しずつ上に移動させていきます。
「寝たまんまヨガ」というスマホアプリで体験出来ます。
最後まで聞けずに途中で寝てしまう、という評判もあるので寝る時にやるのも安眠になってお勧めです。
下の動画は公式YouTube のものです。興味のある方はこの動画でボディ・スキャン瞑想をお試しください。
まとめ
- 無意識を意識化出来れば苦しみが減り生きやすくなる
- 無意識を確実に意識化するためには「体感」に注目する
- 生体反応が感情を作ると知り、思考よりも優先し感じ取る癖をつける
- カウンセリングの技法「フォーカシング」は体感を言語化するもの
ボディ・スキャン瞑想をしながら自己対話をすれば、かなり深い部分まで無意識にアクセス出来ます。