デグーは感情が豊かな上に表現する能力も高い生き物です。
同じ「怒り」でも、その怒りがどれくらいのレベルなのかを細かく表現してくれます。なのでその怒りに合わせてご機嫌をとれます。
怒りは何かをしてほしい欲求の表現でもあります。なので、特にその感情に注目すれば何を大切にしているかが見えます。これは人間でもそうですよね。
今回の記事では、家のデグーのチョコの怒りの表現方法、その対処法をご紹介します。
デグーちゃんはみんな個性豊かなので家の子の例が参考になるかは分かりませんが、こんなパターンもあるのだなぁと思って読んでいただければと思います。
家のデグーが怒りを表現する時
家のチョコはべったべたのベタ慣れデグーです。1日6~8時間くらいは一緒に居ないと、寂しさのストレスで自傷行為をしてしまう程です。
なので私が家にいて起きている時間は常に一緒に居ます。今も私の肩の上で「きゅーん」と小声で鳴きながら寝ています。
ですが私にも生活があるので、寝る必要もあり、仕事で外に出て行かなければいけません。
疲れが溜まっている時に早めに寝たり、帰宅が遅くなると腹が立つようです。
どのように怒りを表現するか?
ケージから素直に出てこなくなります。
いつも「出して出して!」と出入り口のガラス戸を叩いてさいそくします。その叩く速さときたら、グラインド・コアのドラムをほうふつさせる程です。
普段ならおやつを用意してドアを開ければ私の手の上に飛び乗ってきてくれます。
ですが機嫌が悪い時は、ドアを開けて出てきてもらおうとすると逃げ出します。
上に乗ってもらうために手を近付けると「ププー!!(僕の気持ちなんて分かってないくせに!)」と手を振り払われます。
完全に機嫌が直らないと外には出てくれないのです。
よくある怒りのパターン
ケージの出入り口で「出して」アピール


(ケージの)外に出して!
とドアを叩いてうったえています。
ドアを開けても出てこない

ドアの開いていない部分まで移動して

ドアを開けて! 外に出して!
と、さいそくを続けます。ドアを開けたことは「気付いていないフリ」です。(そんな無茶な…)
さらにドアを開けても「出して」とさいそくを続ける

←━→ の分ドアを開けています。それでもわざわざ開いていない部分まで横に移動してきて、もの凄い速さで叩き続けています。そろそろグラインド・コアバンドからスカウトがきそうです。
実際にこの様子を見た人が「え? こんなに早く叩くの??」とびっくりしていました。
「そっちの態度によっては出てもいいよ?」アピール


ねー、そろそろ出してー?
と言っています。そのまま出てきてくれた方が早いよ…?
そっちの態度によっては出てもいいんだよ?と交渉しているようです。
ちなみに「そっちの態度」とは、私が土下座の勢いでわび続けるとか、チョコが納得できる落としどころを用意するとか、そういうものです。
ついにぶち切れる


出してったら出してったら出して!!!
と、ついに暴れ始めました。
落としどころを見つけてやっと納得する

ケージに閉じ込めたにっくき私の手の上には乗りたくないようです。
なので、ランナーボール(だったもの)を差し出してそこに乗ってもらいました。その後おやつを食べたら私の肩に乗って甘えます。
家のデグーの怒り5段階説

マズローの欲求5段階説の図のパロディ?です。上に行くほど怒りの度合いが強くなります。
マズローの欲求5段階説は下の図のものです。

家のデグーの怒り段階1:おやつをくれたら許す
本来はずっと一緒にいるべきなのに、ケージの中に閉じ込められたことをチョコは非常に不満に思っています。
そのお詫びとしておやつを要求してきます。大抵はアリメペットという小動物用の乳酸菌サプリを1/4に割ったものか、嗜好性の高いペレットをあげます。
そうしたら機嫌を直して私の手の上に乗ってきてくれます。
家のデグーの怒り段階2:もっと美味しいおやつちょーだい
帰宅時間が少し遅くなった時や、いつもより寂しい気分の時はもっと美味しいおやつを要求してきます。
エン麦やかぼちゃの種などです。なぜか「砕けたペレット」も美味しいおやつに分類されているようです。
いつもより上位のおやつが出てこないと、開いているドアをバタバタ叩きつつ、さいそくし続けます。自分の怒りに見合ったおやつをもらえると機嫌を直して手の上に乗ってきて甘えてくれます。
家のデグーの怒り段階3:おやつを食べて欲しければ誠心誠意詫びよ
怒りがこの段階までくると何が何だかわからない状態になってきますが、かなり怒っています。私が昼寝をした時や、帰宅が結構遅くなった時にこんな状態になります。

僕がおやつを食べないと困るよね?
というむちゃくちゃな理屈ですが、
かわいいーーー ////// 可愛いすぎます!!
そして自分の価値をしっかり確信して育ってくれていることが嬉しくもあります。
ケージのドアを「出して出してー」と叩いて催促するのはいつもと同じです。なので美味しいおやつを手に持ってチョコを迎えにいきます。
そうしたらチョコはそこら辺にある牧草を口に咥えてすました顔で待っているのです。
これは

僕は今美味しいもの(実際はただの牧草)を口に咥えているからおやつなんて受け取れないよ。
でも謝ってくれたらこの大切な牧草を置いてそのおやつを受け取ってあげなくもないよ?
という意味なのです。
最初はわざわざ牧草を咥えてくる意味が分からなかったのですが、何回かその場面に出くわして理解出来ました。
デグーの感情の豊かさは半端ないですね。
なので、全力で謝ります。
「ごめんねー、チョコはつらかったのにねー、無神経に扱われてチョコは苦労ばっかりだよねー」と自分を卑下しつつ謝りまくります。
そうしたらチョコは牧草を咥えたまま、ケージの隅の食料を隠す場所に移動してしばらく考えています。

どうしよっかなー、まだ許せないかなー
といった感じでしょうか。
そして牧草を咥えたまま出入り口の所まで戻ってきます。
ごめんねごめんねと再び詫び続ける私。チョコはひとしきりそれを聞いた後、食料を隠す場所に行くもまた牧草を咥えたまま戻ってきました。
さらに謝る私の声をチョコは聞いています。聞き耳を立てるというのはこういう状態なんだという感じに耳をピンと立てています。耳の穴まで見えそうです。
「言って!僕にもっとお詫びの言葉を言って!」という気持ちが思いっ切り見えます。
この可愛い生き物は何なんだー!
と、明日1日仕事を頑張れる勢いで癒やされた私はさらに謝り続けました。
するとチョコはケージの隅にいって咥えていた牧草を隠すしぐさをして、何も咥えていない状態で出入口の所まで戻ってきました。
そうして私の手の上に来ておやつを受け取り、機嫌よく甘えてくれました。
家のデグーの怒り段階4:交渉拒否
これは2-3か月に1度あるかないかくらいに怒っている状態です。
ドアを叩いて「出して!」と催促をしても、私がドアに近づくとケージの奥に移動します。そして奥からじっとにらんでいます。
奥にいるチョコにやさしく声をかけつつなでると
「キーー!」と怒ります。

僕の気持ちなんて分かってないくせに! 気安く触らないでよ!!
という意味で怒っているようです。
それでも撫でる行動を繰り返していくと、牧草を咥えながらドアの前まで来てくれるようになります。
家のデグーの怒り段階3:おやつを食べて欲しければ詫びよ の段階まで怒りがおさまったようです。
なので納得してくれるまで詫びて、機嫌を直してもらいます。
家のデグーの怒り段階5:もう顔も見たくない
私の帰宅が遅くなる日が続いた時に、チョコが悪い夢を見てしまったようで、かなり怒りが高まった日がありました。
ケージの中にある木の寝床で叫ぶような寝言を言っていたのであわてて駆け付けたら、私の顔を見るなり寝床にある布にくるまって隠れてしまいました。
なだめながら撫で続けていると、牧草を咥えたままドアの所まで来てくれました。なのでおやつを受け取ってもらうために詫び続けました。
まとめ
人間の心理とデグーの心理を同列に考えるのは必ずしも正解ではありません。
ですが、人間の子どもの気持ちを考えるように接すると(少なくとも家のデグーの場合は)上手く行くことが多いのが実情です。