こんにちは。くまの(Kumano@deguneko)です。
多くの人は、社会に適合できるよう子供の頃から我慢を訓練されます。その我慢によって基本的な生活のルールが守れるようになります。
ある程度の規則正しい生活や、仕事や勉強家の用事などなんらかの役割を果たすなどです。
一方、子供の頃の躾の反動で我慢がきかなくなり生活がめちゃくちゃになることもあります。
食事はジャンクフードばかり、家の片付けやゴミ捨てをやらない、ゲームに没頭し仕事にも行けないなどです。
今回の記事では、我慢によって良い習慣か見に付く場合と、反動で爆発し我慢がきかなくなるパターン、さらに爆発せずにくすぶった時について書いていきます。
良い習慣には我慢も必要
子供のうちに我慢や制御、コントロールを育てないと大人になった時に苦労します。
はじめからルールがあれば当たり前のように受け入れられるけど、後になればなるほど苦痛が伴います。
優しい虐待と言わわれるような甘やかしがあります。
宿題や課題は代わりにやり、夜更かしして朝起きられない時には学校に休みの連絡を入れるような例もあります。
宿題は自分でやる、寝坊しないようにするというルールが出来上がっていません。
進学して宿題(課題)が難しくなり親が代わりに出来なくなっても、急に「自分でやれ」と言っても無理な話です。今までは寝坊し放題だったのに、会社勤めになったとたんに規則正しく出勤するのも難しいでしょう。
節制や訓練をしていないまま成長すれば、いざという時に癇癪をおこし暴れるしか出来ない人もいます。
子供の頃に何らかの規則を守らせる、我慢をさせるのはこうならないためというのが前提にあります。
我慢の躾の結果起こる3つのパターン
防衛機制どいう、人がストレスを感じた時に自分を守る心理機能があります。
その中の、
- 抑制:納得して欲求を我慢する
- 抑圧:納得出来ずに無理に抑える
この二つの違いが、我慢の結果、訓練につながるかどうかです。
- 抑制ー我慢が訓練になる
- 抑圧1ー我慢の結果爆発する
- 抑圧2-我慢の結果爆発はしないものの嫌な気持ちがくすぶる
大きくこの3つに分かれます。以下詳しく書いていきます。
1.我慢が訓練になる場合
抑制によるものです。
ゲームが好きでいつまででもやっていたいとします。
それでも宿題や習いごとなどをしなければいけないし、夜遅くまで起きていれば翌日に影響します。なのでゲームは時間を決めてやるようにしました。
やりたい気持ちはあります。ですが、
- やるべきことをやれば認めてもらえる
- ゲーム以外にも楽しいことがある
- ゲームを我慢して勉強を頑張った結果良い成績がとれた
など、節制をした結果良いことがあれば納得して我慢できます。
規則正しく生活する習慣もついているので無理なく適度にゲーム自体も楽しめるようになります。
2.我慢が反動を生み爆発に繋がる場合
抑圧によるものです
ゲームを我慢することにメリットを感じられず、かえって嫌な思いをするなら、ゲームの我慢は抑圧になります。
- ゲームを我慢しているのに褒められずさらにあら捜しをされる
- ゲームをしない時間に嫌なことをさせられる(苦手な習い事や労働など)
- ゲームを我慢したことで良い成績をとっても「もっと上を目指せ」と怒られる
こんな我慢を強いられれば、大人になって親から自由になったら好きなだけゲームをやってやると思い続けても不思議ではありません。
この例はあまりにも極端なものです。何らかの形でどうしても我慢について納得できないのに強要されたと感じれば抑圧に繋がるようです。
3.我慢の結果、別の防衛機規制が発生する
抑圧しているのに反動が出ない時に起こりうるパターンです。
抑制は成熟した防衛規制ですが、抑圧は未熟な段階です。
この場合、抑圧したまま別の未熟な防衛規制の形をとるのがほとんどです。
- ある程度良自由にゲームが出来る人を憎む
- ゲームがくだらないものだと言い続ける
など、ゲームを否定することで心のバランスやプライドを保つこともあります。
これは合理化という神経症的防衛で、自分の満たされない欲求などに対して、合理的な説明を与えることによって自分自身を納得させようとするものです。
その人に子供ができた時、子供がゲームに興味を持てば過剰にゲームを禁止するかもしれません。
保護者が支配的にゲームをやめさせた場合、支配・非支配の関係性が基礎に出来ています。親子の心理的境界を持たないので、同じように支配的に何かを強要するという形です。
抑圧と抑制の違い
抑圧
「成熟した防衛」と言われるものです。
抑圧は「圧」という言葉の通り無理の抑えつけることです。自分自身を守るため嫌なことや辛いこと、記憶や感情を無意識に押し込め意識しないようにすることです。
抑制
「神経症的防衛」とも言われる段階の防衛機制です。
自分自身の感情や衝動、思考などを自分自身の意識的な努力により抑え込むことです。無意識に押し込めていないので何が嫌なのか意識出来ています。
防衛機制の階層的分類は以下の通りです。
- レベル1:精神病的防衛(分裂・転換など)
- レベル2:未熟な防衛(退行・投影など)
- レベル3:神経症的防衛(合理化・解離など)
- レベル4:成熟した防衛(尊敬・同一視など)
我慢が反動を生むのはなぜか?
我慢に関して納得できていないと同時に、我慢できないことを認められないからです。
認められないとは、自分の心理状態なこともあれば環境のこともあります。
上のゲームを我慢する例であれば
- 心理的:ゲームさえも我慢できない自分は情けないと思う
- 環境:ゲームをやると怒られる、ゲームを隠されているなど
子どもの時は環境的な要因がメインですが、周囲からゲームを我慢できないなんてダメな人間だ、情けないなどと言われ続ければ、そのうち「ゲームをやりたいと思う自分はダメなんだ」と思うようになります。
なので、ゲームをやりたいと思う自分の気持ちを無意識に押し込め「なかったこと」にしようとします。これが抑圧です。
抑圧し無意識に押し込めたからと言ってなくなるわけではありません。なくなるどころか無意識化でどんどん大きくなっていきます。
これが反動を生む理由です。
まとめ
- 抑制は努力して我慢する、抑圧は無理やり我慢しようとするもの
- 我慢の訓練の結果3パターン
- 1.抑制ー我慢が訓練になる
- 2.抑圧1ー我慢の結果爆発する
- 3.抑圧2-我慢の結果爆発はしないものの嫌な気持ちがくすぶる
- 我慢出来ないことを内外から認められなければ抑圧になり反動を生む