ゼロサム思考とは?不幸しか生まない世界観

心の話
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ゼロサム思考と言われる認知バイアスがあります。

このゼロサムゲーム的な考え方は、非効率な上に損でしかありません。しかも息苦しく苦労が多いものにも見えます。嫉妬や妬みの元になる考え方でもあります。

そんな不幸にしかならないものですが、多くの人がこの考えを持っています。

  • 自分さえ我慢すれば丸く収まる
  • あいつさえ我慢すれば上手くいく

という考えはゼロサム思考です。誰もがつい持ってしまいがちな発想と思うかもしれませんが、かなり偏った考え方です。

今回の記事では、不幸しか生まない「ゼロサム思考」について書いていきます。

この思考のおかしさに気が付けば、かなり心が楽になり生きやすくなります。

ゼロサム思考とは?

ゼロサム思考について

ゼロサム・バイアスとも言われる認知バイアスの1つです。認知バイアスとは、情報を正確にとらえられない原因になる色眼鏡のようなものです。

認知バイアスには、一時的に心を守る、検証する手間を省いて脳疲労を軽減するといった、心を楽にするための機能という役割があります。

バイアスが全くなければ事実をすべて受け止めるため生きづらく、多ければ事実が見れずに生きづらくなります。ある程度把握して適度に付き合っているのが良い状態です。

ゼロサムゲームというものがあります。

全員の得点の合計が常にゼロという方式のゲームです。全員の合計が0なので、誰かが点を取れば、他の人が点を失います。

これを日常に当てはめたものがゼロサム思考です。

幸せや喜びは限られている、なので誰かが幸せになれば他の人は幸せになれないという、まるで椅子取りゲームのような考え方でもあります。

ゼロサム思考では

  • 誰かの幸せのために自分が不幸にならなければいけない
  • 誰かが得をすると、自分は損をする
  • 誰かが褒められれば、自分は褒められない

といった発想になります。

これでは人の幸せを喜べません。人が幸せになれば自分が不幸になるからです。

誰かに良いことがあれば、自分は無関係なことでも嫉妬心や怒りの気持ちが湧きます。

自分がいい思いをすれば人は不幸になると思います。自分の幸せを他人は妬むと信じ込みます。

これでは人の行動や結果をいつも気にすることになります。心も休まりません。

ゼロサム思考の例

自己犠牲で我慢をしてストレスを溜めている人がいます。

そんな人に

「そんなに我慢する必要はない、もっと自分を大切にして幸せになって」と伝えた時、そのことに納得すると

「分かった! これからは人を蹴落としてでも幸せになる!」という答えが返ってきます。

自己犠牲をやめる=自分以外の誰かが自己犠牲をする、という発想です。

ゼロサム思考では不幸の数も決まっています。なので自分が不幸でなくなる代わりに誰かが不幸になると信じています。

実際は自分の幸せのためにわざわざ人を蹴落とす必要はありません。みんなで幸せになれば良いはずです。

ですがその「みんなで幸せになれる」という考えが浮かばないのがゼロサム思考の特徴です。

人が得することを極端に嫌がる人がいます。それはケチ臭い考えというわけではなく「人が得をする=自分が損をする」と思い込んでいるからです。

ゼロサム思考では幸せになれない理由

幸せは増やしていけます。

嬉しいこと、楽しいこともどんどん増やせます。

それを有限なものと決めつけて奪い合えば、幸せや安らぎから遠のきます。

この思考は、自分がどんどん不幸になって誰かを幸せにするという「システム」を自動的に作り上げます。

自己中心的な思考になる

ゼロサム思考で動いている中に、人を優先し気遣っているような人もいます。

それは思いやりではなく、勝つか負けるかの世界観の中で、人に「負けている」ので譲っています。このタイプの人は「勝っている」と思う相手には、とことん強気でいきます。

自分より「勝っている」人に譲っているのと同じように、弱い相手は自分に譲るべきだという信条です。

代表的なものとして、パワハラ・モラハラがあります。

  • 上司にはへりくだり部下にはパワハラをする
  • 外では低姿勢なのに家では子どもにやつあたりする

たとえ低姿勢に振舞っていても「負けているから」気を使っているだけです。無意識には恨みや憎しみのようなものが蓄積しています。

媚びへつらいには憎しみの感情しかないのかもしれません。

この心理状態は、自己中心的です。

勝ち負け、やるかやられるかの世界観なので、自分を守るのに必死です。なのでどうしても自己中心的になってしまいます。

ゼロサム思考を持つ原因

自我領域の狭さ

自我領域という心の調整部分が少なければ、白か黒の二極思考になりがちです。

上:自我領域が広く安定している
下:自我領域が狭く、白黒の二極思考のため心が不安定

  • エス:本能や欲求など、心の中の本能的な欲求や生理的な衝動を持つ部分(黒い心のイメージ)
  • 自我:エスと超自我を調整する部分。ここが「自己」だと認識されている(グレーのイメージ)
  • 超自我:道徳的で正しい理想を追い求める部分(白い心のイメージ)

この中の自我は、子どもの頃に親に愛され認められて育ちます。

ゼロサム思考を持つのは「簡単に言えば」保護者にきちんと愛をもらえなかったことが原因です。

親に認められなければ自我の領域は広くなりません。発達もしません。

もちろん自分で育て発達させることは出来ます。そのためにもゼロサム思考に気が付いて、考え方を改めていく必要があります。

自我の発達段階における「自己防衛的段階」の状態

ゼロサム思考は、ロバートキーガンの発達理論での発達段階2:道具主義的段階(利己的段階)にあたります。この段階にとっての周囲と自分の関係は、損か得か、勝ちか負けかになります。

クック=グロイターの自我発達理論(門林 奨訳)では、自己防衛的段階になります。この段階についての説明で、以下のように書かれています。

人生とはゼロサムゲーム〔全員の利得の総和が常に0になること〕である。彼らの「私が勝ち、あなたが負ける」という心的傾向

自我の発達:包容力を増してゆく9つの段階

この自己防衛的段階では、単純に二分法「よい・ 悪い」「正しい・間違い」で物ごとを考えます。幸せでなければ不幸、得しなければ損をしているといった判断です。

ゼロサム思考から離れるためには?

一人の利益が誰かの損失にならない「ノンゼロサム」

「ノンゼロサム」は、一人の利益が必ずしも誰かの損失にはならないという意味です。

誰かが得をすれば誰かが損をするというゼロサムとは違う世界観です。

誰かがほめられて喜んでいたとします。それを見て嫉妬や嫌な気持ちを持つのはゼロサム思考が原因かもしれません。

他の人がほめられても、あなたにとっては得でも損でもないはずです。誰かが良い思いをしているのを見て心がざわついた時は、自分の利害とは無関係だと言い聞かせてみてください。

子どもや学生の頃に誰かと比較され
「○○さんはちゃんとしているのにあなたはダメだ」と怒られることがあります。
これは、人がほめられる=自分が怒られる、という状態です。これもゼロサム思考の原因になります。

どちらも勝つ「ウィンウィン」

「ウィンウィン」は「双方が利益を得る」という経済用語です。お互いが勝利する考え方であるため、一方が損失を被るゼロサムとは対峙する概念です。

子どもの遊びに置き換えてみます。

2人の子どもがおもちゃを取り合ったとします。

この時点では、おもちゃを奪う(得する)か、おもちゃを奪われる(損する)かしかありません。

ですが2人で一緒に遊べば、さらに新たな遊びに発展するなどで両方が得をします。

別の例を出します。

近隣にケーキ屋さんが2店舗あったとします。

この2店のケーキ屋さんが、より自分の所にお客さんが来るように頑張ります。

さらに美味しいケーキの開発をしながらも、相手はもっと良いものを開発しているのではないかと不安になります。

ケーキを買い求めるお客さんの数が決まっていて、より多くのお客さんを獲得する(得をする)か、お客さんの数が減る(損する)か、の世界観です。

ですが、ケーキを買い求めるお客さんを増やすという方法もあります。2店で協力してより良いお店にして評判を呼ぶなどです。

市場を分割し奪い合うのがゼロサム思考で、市場全体を広げるのがウィンウィン思考になります。

まとめ

  • ゼロサム思考は、損得の合計が0になる考え
  • 自分の不幸は人の幸せになり、自分の不自由が他人の自由になるという考え
  • この世界観は、自分をどんどん不幸にしていくシステムを作り上げる
  • 保護者に認められず、自我が発達しなければこの思考におちいりやすい
  • ノンゼロサム、ウィンウィン思考を身に付けることで離れられる

この認知バイアスに気が付いて抜け出せば、世界は大きく変わります。

他人は自分の敵ではない、みんなが自分の幸せを狙っているのではない、と理解出来れば肩の荷が軽くなります。

ゼロサム思考では、自分が秀でれば誰かに嫉妬され足を引っ張られると思います。

ですが、意外なことに「嫉妬だれるかも」という不安が相手の嫉妬を誘発することがあります。思考は集合的無意識でつながっているからです。

実際に嫉妬されるならその場はゼロサム思考です。

このままでは発展が難しいので、居場所を変えるか、実力をつけて場の価値観を変えるしかないと思われます。

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