【鬼滅の刃】富岡義勇が嫌われる原因は?自我と誤解の関係

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「そんなだからみんなに嫌われるんですよ」とは、蟲柱(むしばしら)である胡蝶しのぶ富岡義勇に言った言葉です。

視聴者目線で見れば、強くて優しくて天然でかわいい義勇ですが、作品内では一部嫌われているようです。

何せしのぶの「みんなに嫌われるんですよ」に対し、否定したのは義勇本人だけ

その場に居た”あの”優しい竈門炭治郎すら、嫌われているという言葉に反論しないどころか、疑問にすら思っていませんでした。

観ていた人も「あ、確かに嫌われている(苦手に思われている)だろうな」と納得したのではないでしょうか?

今回の記事では、富岡義勇が嫌われている、誤解をされていると思うところについて書いていきます。

富岡義勇とは

冨岡義勇(とみおか ぎゆう)水の呼吸を使用する水柱(みずばしら)

語開始時19歳→21歳。誕生日は2月8日。日輪刀は水の呼吸の青みがかった刀身。ねず子に襲われる炭治郎の前に現れ、鬼化したねず子を殺そうとする。しかし、妹を助けるために命懸けで勝とうとする炭治郎の意志や、飢餓状態でも兄を守ろうとするねず子を見たことで剣を引く。妹を助ける道として鬼殺隊としての訓練を受けるように勧め、鱗滝左近次に紹介状を送る。現実的で冷めた雰囲気を見せ、感情を表に出すことはほとんどないが、炭治郎の生きる気力を引き出すためにわざと厳しいことを言ったり、ねず子を見逃したりと、根は優しく情に厚い面がある。だが無表情で口下手なため、誤解を招きしばしばトラブルを生む。嫌な奴といった印象を他人に与えがち…

鬼滅の刃wiki

富岡義勇が嫌われる理由

2つの要素が考えられます。

  1. 自我がないので人の気持ちが分からない
  2. 好かれることを避けている

この2つについて書いていきます。

自我がない

自我とは?

心理学者であるフロイトは、人間の心をエス・自我・超自我の3つに分けています。

  • エス:本能の欲求など、黒い心の部分
  • 自我:白・黒い心の調整役
  • 超自我:道徳や理想など、白い心の部分

これだけでは分かりにくいので、例をあげます。

欲しい腕時計があるとします。ですがとても高価で、買うとすれば借金をします。

黒い心(エス):欲しいものは欲しい、借金してでも買う
白い心(超自我):借金してまでぜいたく品を欲しがるなんてとんでもない

この極端な考えがぶつかり続ければ疲れます。なので自我が勝手に調整してくれます。

自我パターン1:デザインが似た時計が安く売っているので、それで我慢しよう
自我パターン2:時計の代わりに、欲しかった靴を買おう
自我パターン3:買おうと思っていた○○を我慢してこの時計を買おう
自我パターン4:毎月〇万円貯金して貯まったら買おう

白・黒2つの意見を聞きつつの妥協案は、いくつもあります。この調整の仕方は人によって違います。なので人は、この自我の部分を「自分」「個性」と思っています。

何故自我がないのか?

自我が育たなかったパターンは2つあります。

  1. 親などの保護者に認められ、愛してもらえなかった
  2. 自我がない保護者に愛された

さらに自我がない原因としてあるのが以下のものです。

  • 自我が崩壊した

幼少期に自我が育っていたとしても、姉が自分を庇って亡くなったことで崩壊しています。なので義勇には自我がないのですね。

おぼろけに残っていた自我さえも、親友である錆兎(さびと)の死によって完全に崩壊しているはずです。

自我が崩壊する条件は、インテグラル理論で説明されています。

  • 自分の価値観をくつがえすほどの衝撃体験
  • 全てを失うような出来事
  • 生死の保障もない危機的な状況

鬼滅の刃のキャラで、自我がない人が多いのはこのような体験をしているからだと推測しています。

自我がないとどうなるか?

自我がしっかり統合されていれば、心が自動的に良いように調整してくれます。

自我がない場合は、白か黒の極端な思考になります。何ごとも0か100で考えます。ですがそのような考え方では周囲と衝突します。本人も苦しい思いをします。

そこで、自我を自分で成長させる、という作業が必要になります。

勝手に育った自我と違い、自分で成長させるので、成長の仕方に本人の価値観が色濃く出ます。何を極めたいかによって性格にも影響が出ます。

「人と仲良くなりたい」「出世したい」「技術を習得したい」など、本人が重視したものに合わせた自我になります。

自然に育った自我と、自力で成長させた自我は全くの別物です。ここで書く「自我がない」とは、自然に育った自我がないことを指しています。

富岡義勇の自我の成長

義勇は、人を助けることを重視していると考えられます。

強くなることもそうです。

炭治郎との出会いの時のように、安易に助けるのではなく自力でなんとか出来るように働きかけるのもそうです。

自我がない人にありがちですが、価値観と違うものは全く成長させません。

自我がない人は、人の自我についても理解が出来ません。自我を守るためのプライド・怒りのようなものがあるという発想を持てません。

(人の心に関心があればその方向でも育てるので理解出来ます。自我がなくても人の心を理解し上手くやっていきます)

義勇はそこには興味がなかったようです。「冷たい態度をとれば嫌な思いをする」までは理解できたとしても、その結果として嫌われるということは分かっていないと思われます。

魂レベルの悲しみは理解できます。それを助けるための最適解を探す能力にも長けています。ですが、日常的な部分での人の気持ちは理解できません。本人がそれを持っていないからです。

言い方を変えれば、表面的なものではなく本質のみを見ています。

自我がない人は、そんな義勇が理解できるので「嫌う」ことはないはずです。

自我がある人の場合、

義勇を良く思っていない人:いちいちシャクにさわる
義勇を良く思っている人:天然でかわいい

という解釈になることが多いのかもしれません。

ぱっと見の印象ですが、黒(?)目の部分が大きくその中に白い輝きがない目の表情のキャラは自我がない人が多いような気がします。
富岡義勇胡蝶しのぶ時透無一郎我妻善逸胡蝶カナエ、等

好かれることを避けている

おはぎをプレゼントして喜んでもらおうというレベルの「好かれる」ではなく、大事な人扱いをされるのを避けていると考えられます。

義勇は、自分のことを大切にしてくれた姉と、親友の錆兎(さびと)を亡くしています。義勇からすれば、自分を鬼から庇ったために2人は亡くなったようなものです。

そのような状況を繰り返したくないので、人に好かれるのを避けたいのだと思われます。

義勇が他の柱たちに言ったセリフで「俺はお前たちとは違う」というものがあります。

義勇は、自分がみんなより劣っているという意味で言ったのですが、言われた側は、義勇が自分たちより優れていると受け取りました。

結果、より反感をかっています。

まぁ、言葉足らずです。これが嫌われる理由でもあります。「原因」ではなく「理由」

では、言葉の意味をしっかり説明して理解してもらえればどうなるでしょうか。

義勇を励まし、自信を持ってもらうよう働きかけるかもしれません。ですが義勇自身はそれを望んでいません。

「自分は○○だから~」
「そんなことないよ!」

といった、誘い受けになるような応答を期待しているわけではありません。そのような甘さは自分で許容できないはずです。(基本的に0か100なので、嫌悪感を持つ場合もあります)

それぐらいなら、誤解された方がよっぽどいいと判断していると解釈しています。

言葉足らずでいる方が、好かれないですみます。甘えたやり取りも避けられます。一石二鳥です。

まとめ

甘えたやり取りをしないためには、自分の心の奥まで見つめる必要があります。

凪は、そんな義勇だからこそ出せる技なのだと思っています。

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