ポジティブな方が良いという考えもあれば、ネガティブの方が良いという意見もあります。
ネガティブ思考では積極的になれないからポジティブ思考で前向きに頑張ろうというものや、ネガティブ思考は慎重にものごとを進められ危機管理が出来るので成功につながる、といったものもあります。
では、ポジティブ思考とネガティブ思考のどちらが良いのでしょうか?
今回の記事では、この2つの思考について書いていきます。
ポジティブ思考とは?
積極思考(せっきょくしこう)とも言われます。
前向きに物ごとを考えることで人生は上手く行くという考え方です。物ごとの良い面を見るように努め、明るい気持ちで過ごすことを心がけます。
そうすれば楽しく雰囲気も良くなるので、結果成功しやすいと思われています。自信がある人はポジティブ思考だと言われます。
ネガティブ思考とは?
常に悲観的、あるいは否定的に考えてしまう心理状態を指します。
陰気で後ろ向きであり、それに囚われれば人生は楽しくないと思われています。
ですが最近は、注意力が増し、悪い要素を取り除くことにつながる、成功するためにはネガティブ思考こそ必要だとも言われます。
自信がない人はネガティブ思考だと言われています。
ポジティブ思考とネガティブ思考のどちらが良いか
答え:人によって違います。さらに言えば、その時々でも変わります。
ポジティブ思考で進んだ方が良いタイプと、ネガティブ思考でいた方が良い人がいます。
なので、どちらが良いかを知るためには、自分が
- ポジティブ思考向きなのか
- ネガティブ思考向きなのか
このどちらなのかを知れば良いということです。
ポジティブ思考向きな人(ネガティブ思考ではダメなタイプ)
- 褒められて伸びる
- 成功のイメージを持てば上手くいく
- 失敗をひきずる
- 悪いことを考えると妄想が止まらなくなる
- 失敗したことを考えるとやめようと思う
- 良い結果を予想し緊張をほぐせば良い結果につながる、ピグマリオン効果
- やるだけのことをやったからあとは結果をまとうと思える
行動しない言い訳がネガティブ思考からのものならば、ネガティブ思考向きではありません。
何か目標を立てても、悪い思考が浮かんだ時に
「どうせ失敗する」
「自分は上手く出来ない」
という言い訳をして行動しないなら、ネガティブ向きではありません。
ネガティブ思考向きな人(ポジティブ思考ではダメなタイプ)
- 指摘されて成長する
- 成功した状態を想像するだけで満足してしまう
- 失敗によって気を引き締められる
- 良いことを考えると妄想が止まらなくなる
- 良いことを考えて現実逃避をする癖がある
- 悪い結果を予想し慎重にやれば良い結果につながる
- 失敗をいかし、悪い部分の対策をする
行動しない理由がポジティブ思考からのものならば、ポジティブ思考向きではありません。
何か目標を立てていて、積極的な思考が浮かんだ時に
「心配や準備をしなくてもOKでしょ」
「努力しなくても何とかなる」
という言い訳をして行動しないなら、ポジティブ向きではありません。
どちらが良いか決める基準
どちらの考え方だと
- 事実を見ることが出来るのか
- 現実逃避しないのか
- 自分の心を把握出来るのか
が、ポイントになります。
わかりやすい基準としては、どちらの思考のほうが実際に行動できるのか?です。
思考することで良い行動につなげられるのはどちらか?を見ていきます。
現実から逃げ、自分をごまかすための思考ばかりしていては勿体ないです。現実は理想をあきらめるためではなく、理想を実現させるために見ます。現実を見ない理想はただの「妄想」です。
ポジティブ思考が悪く作用する時
ポジティブ思考は明るくて前向きで良いと思われます。
ですが中には、悪い面をみないためのポジティブ風思考があります。
極端な書き方をすれば
明日までに大事な書類を仕上げなければいけないのに
「あの人は優しいから書類が出来なくても許してくれる」
「寝ている間に小人が仕上げてくれる」
「書類なんて形式上のものだから存在すら忘れてるはず」
といった、ただの現実逃避で何の対策もしないようなものです。
無理なポジティブ思考は、恐怖から目をそらせ、感覚を麻痺させます。一種の中毒です。
これを続けていけば、対策もしないし成長もできません。なのでさらにポジティブ思考(という名の現実逃避)に頼り続けます。
ネガティブ思考という名の、事実を認める行為を「暗い」「後ろ向き」と否定します。事実を指摘しているのに対し「心が狭い」現実逃避している自分の考えは「明るくて良い」という理屈まで考えます。
無理なポジティブ思考は、ネガティブを抑圧します。心の奥ではこのままではいけないと思っていても、それを認めることが怖くてできません。
そのように、意識と無意識が不一致を起こしていると、心が不安定になります。
なので安心を求めてポジティブ思考に逃げます。結果ますます心が不安定になるという悪循環におちいります。
これは目先の良い気分と交換に、良い未来と良い人生を捨てる行為です。
ネガティブ思考が悪く作用する時
ネガティブ思考について、危機管理につながるといった良い面も注目されています。
ですが、実行しないための言い訳にもなりがちです。そうなる例を2つ書きます。
1つは、ネガティビティ・バイアスです。
これは、何かをする時に、良いことよりも嫌なことの方をより思い浮かべる、思い出すという思考の癖です。
何かを決意する度に嫌な未来しか想像できないように、脳のシステムが機能します。
これは癖を治していけば離れられるので、当てはまる方は上の記事を参考にしてください。
2つ目は、心理学的ホメオスタシスによるものです。
人は心も体も変化を嫌います。
ダイエットをしても、順調に体重が減らないのも、変化を嫌うからです。
生命維持の視点で考えれば、今を無事に生きているのだから変化して死んでしまうかもしれないのは嫌だ、と思います。
なので、何か新たな行動をしようとすると、不安な感情を発生させて止めようとします。
片側に囚われ過ぎるもの良くない
私の例を書いてみます。
私はネガティブ思考向きです。
そんな私でも、ネガティブに囚われて動けなくなる時はあります。
自分ではどうすることも出来ない事象について考えると、特にそうなります。
なので
「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである。およそ成り行きにまかせる人間は気分が滅入りがちなものだ」
という、アランの幸福論を思い出すようにしています。
ポジティブ思考向きの人でも、必要以上に偏ったり、
ネガティブ思考向きの人でも、極端に囚われたり、
ということはあります。
その時は、逆の思考を試してみることをお勧めします。
まとめ
- ポジティブ思考向きな人とネガティブ思考向きの人がいる
- 自分に向いているのはどちらかを見るポイントは、どちらの考えが行動につながるか
- 自分に不向きなのはどちらか判断するポイントは、行動しない言い訳になるか
- 無理なポジティブは不安を増やし、ポジティブ中毒になる
- ネガティビティバイアス、心理的ホメオスタシスによるネガティブに注意する
- 場合によっては逆が合う事もあるので、両方の思考を試してみる