今までの記事で「過食するのは意志が弱いからではない」ということを書いています。
意志の力では過食を抑えられません。本能を操作され依存させられているからです。
では、食べ物依存症や過食症を前に、意志は全く無効なのかと言えばそうではありません。意志力の使い方を工夫すれば過食からは離れられます。
この記事では、意志力を的確に使うことで過食から離れる方法を書いていきます。
意志の力で過食が防げない例
食べたいのに止まらない時、手の届くところに食べたいものがあれば意志の力では抵抗できないと思います。
スナック菓子がどうしても食べたい時に、コンビニやスーパーでその商品を見れば、我慢出来ずに買ってしまうと思います。
超加工食品を避けてきたのに、アルコールを飲んでしまい気が緩み、ホットスナックを買うかもしれません。
頑張って頑張って我慢したのに結局食べてしまい、落ち込みます。
そして、「ついやってしまった、自分は意志が弱いダメな人間だ、もうこうなったら同じなのでとことん食べてしまえ」と思い、過食に戻るのかもしれません。
これでは意志力の無駄使いであり、かえって逆効果です。意志力を無駄に使えば脳が疲れます。脳が疲れると誘惑に弱くなるのでますます過食をします。
過食は本能を操作され意志さえも操られている状態なので、仕方がありません。目の前にすれば抗えないものと思ってください。
では、そのような本能操作に対しどのように意志力を使うのか書いていきます。
過食から離れるための意志力の使い方
意志力はフードトラップに「近づかない」ために使う
フードトラップとは、塩・糖・油の組み合わせで脳を快楽で満たし食べ物依存症にするという、ジャンクフードや超加工食品などに仕掛けられている罠です。
スナック菓子を買って、カロリーオーバーになるから半分で食べるのをやめようと思っても「やめられない、止まらない」で結局全部食べてしまいます。
ドーナツを1つ買って、これで今日のおやつは終わりにするつもりでも、食べ始めるともっと欲しくなり追加で買いにいく場合もあります。
少しでも食べてしまえば脳がドーパミンなどの快楽物質に支配され、もっと報酬が欲しくなるからです。
過食をしないためには、超加工食品を一切摂らないようにします。
少し食べてもっと欲しくなるのを我慢するのは大変ですが、最初から食べない、買わない、店に行かないのならまだ我慢できるからです。
自分の意志力を常に疑うようにする
スナック菓子が食べたくなって、小袋1つなら大丈夫だろう、ダイエットを頑張った自分へのご褒美と思って食べれば止まらなくなり追加で買ってしまう。
たまにはファストフードも良いかなと、お昼ご飯にセット1つ買って食べたとして、夜もファストフードが食べたくなりまた食べてしまう。さらにテイクアウトで朝の分まで買って、家に帰って夜食にしてしまう。
お土産でもらったお菓子を食べてもっと欲しくなり、コンビニやスーパーなどで似たようなお菓子を買い込んでしまう。
「ちょっとくらいならいいかな」と食べたものが過食につながるのはよくある話です。
食べる直前までは、今度は大丈夫、止められると思っています。今まで我慢していたのだから、少し食べれば満足出来るはずだと根拠もなく思います。
「食べない、見るだけで我慢しよう」と何故かデカ盛りの店のサイトを見て回る、簡単おやつレシピを熱心に調べはじめ、我慢できなくなり食べに行ったり買いに行ったりするパターンもあります。
ファスティング(断食)の時、食べ物系のサイトを巡るのはありがちな話です。
これは自分の意志力を過大評価した結果です。
止められなかったことを悔やむ必要はありませんが、自分が過食をするきっかけをデータとして把握しておいてください。
甘いものが欲しくなった時、フルーツなら適量で止められたのにクッキーなら食べ過ぎたとか、ボイルした鶏むね肉なら適量で満足したのに、チキンカツの時はもっと欲しくなったとか、そのようなデータです。
TVでの食レポを見るのをきっかけで過食した過去があるなら、そのような番組を徹底的に避けることで対策になります。
過去に我慢できないなら、今回の意志力も当てにはなりません。
「今度こそは大丈夫」という過信ではなく、自分の意志力はそんなにあてにならないと疑って念入りに対策をすることがお勧めです。
我慢しても食べてしまう「意志力」のしくみ
「意志力は使えば減っていく」と、以前は言われていました。意志力の消耗です。
ドーナツが食べたいのを我慢していて、そのために意志力を使い、消耗して食べてしまうという考え方です。
ですが最近では、「意志力は消耗しない、無限だ」の説が有力視されています。
では、ドーナツを我慢して我慢して食べてしまう仕組みはどうなっているのか?ですが
ドーナツを我慢するという意志 VS ドーナツが食べたいという意志
の2つの意志が戦っている状態で、
ドーナツを食べるのは一時ですが、食べない我慢はドーナツを意識している限りずっと続きます。
「食べたい、食べたい、ドーナツが食べたい」と思い続けているうちに、ドーナツが食べたい意志力の方が勝つ時が訪れ、食べてしまうという理屈です。
ドーナツを我慢する意志力を使い切ったのではなく、食べたい意志力が勝っただけの話で、意志力は消耗していないということです。
このことからも、意志力は我慢に使うのではなく、そもそも意志力同士を対決させない、フードトラップに近づかないことが大切だと分かります。
ドーナツを食べないというのは、自分の健康を気遣った意志です。
ドーナツを食べたいというのは、本能操作によって乗っ取られた意志です。
本能操作から逃れるのは難しいので、離れるのが一番の対策です。
まとめ
- 過食をしない意志力を強く持つためには、過食したくなる食べ物を避ける
- 自分の意志力を疑い、念入りに対策をする
- 我慢していたものを食べるのは、「我慢」よりも「食べたい」意志力が強かったから