日本のデスメタルSUBCONSCIOUS TERROR「Reprogramming」感想と考察

音楽
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SUBCONSCIOUS TERROR(SUBCONSCIOUS TERROR JAPAN)とは

Subconscious Terrorは大阪のDeath Metal Bandです。

1994年~1998年に全国規模のLIVEを中心に活動の後、休止。2019年に再結成、2020年には約25年ぶりになるアルバムリリースと、再結成LIVEと共に奇跡の復活を遂げました。

このバンドの特徴は、楽曲や演奏技術、LIVEでの表現などのすべてにおいてのクオリティと精神性の高さです。それはバンドが持つ絶対的に唯一無二の感覚の大きさと強さからきています。

楽曲は、勢いがありながらも細部まで丁寧に作られており、無意識の闇を表現するギターリフ、耳に残る中毒性の高いメロディ、音の幅を広げながら絡みつくベースに、心臓の鼓動のような的確なリズムを叩き込むドラム、そこに毒霧のようなボーカルが乗ります。

曲構成は起承転結がしっかりしていて、必ず結論にたどり着いているのも特徴です。初期に多かった、曲調がどんどん変化していくものはもちろん、新譜のストレートな曲でもあの勢いの中でくるくると展開し、がっつりと答えを見せ付けてくる様子は爽快感さえあります。

LIVEでは、音が放つエネルギーが本人の元を離れてもなお勢いを増し熱を帯びるという、圧巻のものを観せてくれます。

Subconscious Terror/Sharpen Your Senses,Hone Your Values(公式チャンネル)

SUBCONSCIOUS TERROR略歴

  • 1994年
    バンド結成

    Vo&G&コンポーザーの濱崎氏が音楽雑誌でメンバー募集(オーディション)し意気投合したデスヲ氏との二人でスタート

    同年10月16日大阪ヤンタ鹿鳴館で初ライブ。180名を動員。
    1stデモテープ「subconscious terror Vol1」配布

  • 1995年
    2ndデモ「Entropy」をリリース

    東名阪をメインに多くのツアーを行う

  • 1996年
    1stフルアルバム「Invisible」リリース

    1995年&1996年の2年間で約60本に及ぶ全国ツアーを行う

  • 1998年
    活動休止
  • 2019年
    再結成

    12月にニューアルバムをレコーディング

  • 2020年
    レコ発・再結成LIVE

    3月15日 大阪
    9月20日 名古屋で
    レコ発・再結成LIVEを行う

リリース音源

  • 1stデモ 「Subconscious Terror Vol1.」
  • 2ndデモ 「Entropy」
  • 1stアルバム 「Invisible」
  • 2ndアルバム 「Reprogramming」

2020年8月現在、2ndアルバム「Reprogramming」のみ入手可能です。

2020年12月11日、1stアルバム「Invisible」がライブ音源含む全12曲で再発されています。

1stアルバム「Invisible」と2ndアルバム「Reprogramming」の比較

Invisible

テーマ
繰り返される再生と消滅
ー1曲目のSacrifice Of Technologyが再生で、最後の曲のBrain Washが「復活前提」の消滅

構成
起承転結のしっかりした1話完結の物語が、最終回に向かって進んでいく

Vocal
地を這いずりながら先にグングンとエネルギーが伸びていく

Sacrifice Of Technologyを陰陽で表すと
地雷復(ちらいふく)
・夜明け・これから始まる
・一陽来福(陰が極まったため陽が帰ってくる)
・全ての闇を下から光に変えていくエネルギー

破壊手段
全身を粗い刃物で切りつけた後、眉間に鉛玉をぶち込む

Reprogramming

テーマ
Reprogramming(再プログラム化・初期化)
ーReprogrammingをテーマにしたコンセプトアルバム

構成
album全てで1つの小説。曲は特化したストーリーなので「章」の役割

Vocal
上から降り注ぐ毒霧のようなエネルギー

Sacrifice Of Technologyを陰陽で表すと
火水未済(かすいびせい)
・世界は未完成であるから終わらない
・今は闇だが日はまた昇る
・今は厳しいが未来は明るい(努力という絶対条件の元で)

破壊手段
徹底的に研いだ細い刃物を眉間に突き刺し、そこから毒を注入して全身を麻痺させる

「Reprogramming」で表現されているもの

実際に「Reprogramming」が行われている

Reprogrammingを曲順通りに聴くと、脳がReprogramming(初期化・再構築)される「しかけ」になっています。その表現について書いてみます。

Reprogramming(初期化・再構築)がどのように行われるか

  1. 初期化:間違った現状に対しての破壊(1.2.)
  2. 準備:過去の未練に対しての整理、未来への決意(3.4.)
  3. 再プログラミング:過去改変してプログラミングし直す(5.6.)
  4. 完了:未完の世界に出ていく(7.)

1.Sharpen Your Senses, Hone Your Values

この曲を聴いた時にます浮かんだ言葉は、「俯瞰(ふかん)」でした。

俯瞰とは物事を正確に広い視点で理解するために全体を見る能力です。空を飛ぶ視点とも言えます。

ただ整列して意志もなく動いていく群れに対し、そこに何を呼びかけても、パブロフの犬のような反応しか返ってこないやるせなさ。

この視点を得たことで、見たくないものまで見えてしまった絶望と怒りが見えます。

2.Remove Your False Skin

これが、Reprogrammingの中で「隠れた」メインと言ってもよい曲です。(表のメインは1曲目)表現されている感覚がきつくて、グロい映像まで目に浮かんできます。本当にskinをremoveさせるとか。

そして、表現された耐えられない現状に対して出た結論が、「こんなものは破壊してしまえ!」というもの。(2:06~あたりです)

そしてその破壊状態を示す映像はこれです。

曲から見える映像が、アルバムジャケットそのままだったのには驚きました。

ビームを発しているのは、俯瞰視点のために高い場所から見ているもの。破壊先は2つです。

  1. 下で言いなりや操り人形になっている人々
  2. 上で搾取している人

空が雲で覆われているのは、搾取側は雲の上にいて正体もわからない。雲は分断であり意志が通じ合っていないという意味でしょうか。

この曲で世界の破壊は終わりました。

3.Open Your Eyes

破壊をつくした後に、残ったものの所に降りていきます。その残っているものは「自分自身」です。(「この世を燃やしつくしても自分は残る」というのは一見矛盾したように見えて実は真理です)

この曲は、「運命」の悲しさについて表現されています。悲しいけれど未練も残る、でもずっとは居られないといった感じでしょうか。

「運命」であり「感情」のこの曲は、Subconscious Terrorには珍しい「心」を表現しているものです。

1.2.曲で破壊による初期化が終わり、5曲目から過去改変による再プログラムが開始されます。その前に未練とか感傷とか、気持ちに区切りをつけるためのものではないかと思います。

参考記事 運命、使命、宿命、天命の違いをドラゴンクエストⅤで例えてみた

後に、albumには入らないものですが、Open Your Eyesの続編的な音(と私は感じました)がUPされています。

これはSNSにUPされたcannibal corpseのギターカバーです。
カバーですが、内面がダイレクトに出ています。
Open Your Eyesの「つらくて悲しい、でもその悲しみにも浸れない」から
このカバーでの
「つらい事もたくさんあったけれど、こうしてこんなに好きな音に出会えて良かった」と
いう感情は、Subconscious Terrorらしい続編であり結論だと思います。

 
 
 
 
 
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hammer smashed face by cannibal corpse

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4.Inevitable Future

破壊も終わり、過去の未練を心に内包しました。

そしてこれから先に進んでいくために自己をふるい立たせています。やらなければいけないという、使命や宿命の段階です。


5.Your Side Of The Unknown
6.Monstrous Mediocrity

ここからは先の3曲は、25年前にリリースされた1stアルバムにも入っています。昔の曲の再録であり、過去改変です。

基本は過去曲のままですが、やはり大きな違いを感じる部分があります。

  • 過去の自分と対話するために俯瞰視点から降りてきている
  • 過去の「先が見えずに不安」な気持ちに対し「大丈夫」という気持ちを送っている
  • 「こうして先に進めているから」と、過去の自分に道しるべを提示している

ただ不安だった過去が、未来の目を通すことで意味を持ちはじめています。無駄ではなかったし、そんなにつらい事ばかりではなかったと。

過去に光を当てて、癒すという形で過去改変が行われました。

7.Sacrifice Of Technology

これも初期の曲ですが、過去改変とは別の意味を持ちます。

この曲は、1st.demo、2nd.demo、1st.album、の3つの音源では1曲目に収録されています。初期のLIVEでも必ず最初に演奏されていました。

今でもSubconscious Terrorの代表曲と言われ評価が高い曲です。私もこの曲を最初に聴いたし、ハマったきっかけなので思い入れがあります。

それが初期の活動後期にはすでに、LIVEで最後に演奏されるようになりました。

これがSubconscious Terrorの転機の1つと思っています。ただ勢いよく表現するだけではなく、ある種の真理を体得し、世界観を完全に創り上げる感性が出来上がった結果だと、そう見えます。

最後に演奏される時、この曲は陰陽での「火水未済(かすいびせい)」を意味します。

集合的無意識までも届く深い集中力で創られているのだから、この世の摂理としての陰陽に通じていてもおかしくないと感じています。

  • 世界は未完成であるから終わらない
  • この先の未来は最後の審判ではなく今からの努力を問われる
  • 花や実は落ちても再び開き実る(その未来が来ることを今から楽しみにできる)
  • 月は欠けてもまた満ちる
  • 努力なしでは解決しないが一見関係のない方向で道が開く(実際は因果関係がある)

Reprogrammingでは、このような未来が予知されているのかもしれませんね。(卦の意味解釈は伝え聞いているものです)

Reprogrammingの歌詞

このalbumは、歌詞にもしっかり内面が表現されています。日本語でのラフ詩を見たときは、曲にぴったり過ぎて頭が痺れるくらい衝撃を受けました。

以下Remove Your False Skinのものです。

SUBCONSCIOUS TERRORの感覚

バンドの中心人物でCOMPOSERである濱崎氏の感覚について書いていきます。

受信×送信のハイブリッド

この2つを同時に持つことはほとんどありません。Subconscious Terrorの独自性の原点はここにあると思っています。

人は受信も送信もするのでは?と思われる方は下の記事を見てみてください。

参考記事 人がエンパス(受信型)と逆エンパス(送信型)の両方を持たない理由

参考記事 受信型と送信型の魂(エンパスとエルゴン)

人の感覚は通常、受信型か送信型のどちらかに属します。なのでこの感覚は本当にめずらしい。万が一レベルの希少なものです。

この2つが共生するとどうなるのかというと

瞬発力と持続力
理論と実践
模写とオリジナリティ
名監督が名選手
空を飛ぶための翼と現実を生きるための手

の、両方を持ちえるという事になります。はっきり言ってチート能力です。本当の意味で天は二物を与えた状態です。

ただし「天は残酷なほどに平等」で、この能力には明確な欠点があります。

必死の努力や苦しみの乗り越えても「使えない」というものです。

使えない方向性が単なる宝の持ち腐れなら良いのですが、その多くは、動けなくて生きる屍となるか、潰されて廃人化してしまうかのどちらかになってしまうと予想ができます。

通常はどちらか1つを、頑張って生きて使えるようになります。

片方だけでもなかなか使えないから、振り回されてエンパスやエルゴンといった症状に苦しんだりもします。

それを両方持ってしまっては、必死で頑張っても使えない、死に物狂いでの努力を繰り返し、それを超えた先でしか物にできません。それも大きな苦痛と引き換えです。

この2種の感覚を持つ人の大きな特徴として、両方を使うために前もって与えられた規格外の感覚の大きさがあります。

これがどれほど規格外か書いてみます。

「氣」の世界では、器量と表現されます。気のエネルギーを入れる器の大きさという意味です。

普通の人の器量(感覚の大きさ)を、ケトルくらいだとします。そこから器量を大きくするために「氣」の修行を十何年したとしても、せいぜいドラム缶止まりです。

それが、このハイブリッドの感覚を持つ場合、最初から25mプールぐらいの大きさの器量を持っています。なので完全に段違いです。

言い換えれば、この器量を持っている状態で何かを成そうと思えば、とてつもないエネルギーが必要だという事になります。これも、普通では使えない原因です。

この2種の感覚を持っていて、しかも「使える」人は、私はこの方しか知りません。

生まれた時からこの生き辛さを抱え乗り越えてきた方が創る音楽だから、聴き手が生きる苦しみを抱える程に共感し支えられる作品になるのだと感じています。

人の為に生きる、自分の為に生きるで言えば「自分の為に生きる魂」

  • 人の役に立つ事がエネルギーの湧き出るきっかけで、その結果何かを成すのが「人のための魂」
  • 何かをとことん極めたくてエネルギーが沸き、その結果人のためになるのが「自分のための魂」

魂自体は後者と思われます。ゾーンに入り、魂と一体化した時には、自分の成したい何かに全力で没頭する感じです。

参考記事 「人のために生きる魂」と「自分のために生きる魂」の違い

優勢チャクラは第5チャクラ

スピリチュアルや新興宗教ではなく、発達心理学の区分や人生観として見ています。

参考記事 チャクラの発達段階と優勢部位について

喉の位置にあり表現のチャクラとも言われるものですが、別の意味もあります。

送信型の行動力を担う第2チャクラ、感受性の第6チャクラも両方使っていますが、優位は第5チャクラなのには意味があります。

現実と理想、行動と思考、外面と内面、この2つを繋ぐのが第5チャクラで、「実現させること」を大切にしていると思われます。

まとめ

SUBCONSCIOUS TERROR 関連Link

情報

公式HP 【OFFICIAL】SUBCONSCIOUS TERROR

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