「誰だってほめられりゃうれしいし、悪口言われるとはらが立つさ」
というドラえもんの名言があります。
怒られる、文句を言われるのは嫌なものです。褒められたり感謝されれば嬉しくなります。
ですが実際には逆の態度をとっている場合があります。
ほめ言葉を否定し、叱責を必要以上に重視するなどです。
今回の記事では、感情の受け取りの時に見られがちな本来とは逆の反応について書いていきます。
ほめられるのを拒否する理由
自己肯定感が低い
自己肯定感が高い人は素直に「ありがとう」と言うことができます。
自己肯定感が低ければ、ほめ言葉や良い評価、感謝などを否定したくなります。
褒められたり感謝されたとしても、「自分はその賞賛に見合っていないのでは?」と思ってしまいます。
「大げさに言っているのではないか?」
「おせじではないか?」
「心にもない事を言っておいて心の中で信じた自分をバカにするのではないか?」
という疑いの気持ちを持ちます。
自己肯定感とは、自分は自分だから価値があるという感覚です。似た言葉に「自信」があります。自信は自分の能力に対し信頼があることです。
自信:自分は○○出来るから凄い。
自己肯定感:自分は○○出来なくてもOK
義務を背負いたくない
ほめられると、そのことへの義務が発生すると思い、強く否定したくなります。
例えば、何かの集まりの幹事をしたとして「手際がいいですね」とほめられたとします。
これを肯定すれば、これから集まりの度に自分が幹事をまかされるのではないかと不安になります。そう思うと、素直にほめ言葉を受取れません。
超自我によるもの
オーストリアの精神医学者ジークムント・フロイトは、人間の心を3つの構造に分けています。
- エス:本能や欲求など、心の中の本能的な欲求や生理的な衝動を持つ部分(黒い心のイメージ)
- 自我:エスと超自我を調整する部分。ここが「自己」だと認識されている(グレーのイメージ)
- 超自我:道徳的で正しい理想を追い求める部分(白い心のイメージ)
超自我は、理想的な部分や、そう在るべきと感じる「正しい」自分です。教育やしつけによって形作られていきます。
ほめ言葉を拒否する理由として考えられるのが、過去の経験です。
幼少の頃に絵や遊びをほめられれば、最初は素直に喜んでいたはずです。嬉しくてもう1度やって見せたりしていたかもしれません。
それに対し、保護者が「大した事がないのに調子に乗っている」という態度を示すことがあります。
「あなたは大したことがないのだから、ほめられても調子に乗ってはダメだ」ということを言われる場合もあります。
ほめられたことに対し
「あんなのはお世辞なのに」
「面倒な役割を押し付けられているだけなのに」
「真に受けるとか馬鹿じゃないの?」
「ほめられない人の気持ちを考えて否定するべき」
と悪く言われる場合もあります。
こういう経験する事で、ほめ言葉について警戒心を持ちます。ほめられても拒否することが正しいと思い込みます。
「そんなことありませんよ」と極端に否定する場合は、これ以上嫌な思いをしないように、自分を守っていると考えられます。
表現された悪い感情を受け入れるのは
悪い感情を拒否してはいけないと思っている
良くなかった部分を認め、改善していくのは必要なことです。
ですが、必要以上に叱責や苦情を受け止めすぎてしまい。逆に改悪されることもあります。
ほめられた場合に「いえいえ自分なんて」と謙遜しても周囲は咎めません。控え目な人だとか、謙虚だとかという良い印象さえ与えます。
一方、注意や苦情の場合はそうはいきません。否定すれば、「反省の色がない」という悪い評価になります。
罪悪感によるもの
気をつけなければいけないのは、注意を装ってコントロールされることです。
あなたに手伝って欲しいことがある時、
「あなたは○○がとても上手なので手伝ってほしいな」
「○○してもらえると助かる」
とお願いされたとします。それに対し、手伝う手伝わないの選択肢はあなたにあります。
「何で○○を手伝ってくれないの?」
「普通は○○を手伝うでしょ?」
「早く○○を手伝ってよ、気が利かないなぁ」
と、怒られれば、頼みを聞かない方が悪いような気がします。
その怒りを拒否しなければ、手伝う手伝わないの選択肢はあなたにありません。
罪悪感によって、相手をコントロールしようとする人がいます。自信がなければ、その罪悪感に簡単に呑み込まれてしまいます。
相手に嫌われない様にしなければ、悪いと思われている部分を取り除かなければ。という思いが働きます。
ほめ言葉を受け取るために
ほめ言葉を受け取るメリットを考える
ほめ言葉などの良い気持ちは、良いエネルギーです。つまり「徳」です。
それに対し、ありがとう、嬉しいといった良いものを返すのも「徳」です。
徳の高い場所には、同じような良いものが集まってきます。
逆に、拒否すると良いものを悪いもので返しているので、カルマに繋がります。
ほめ言葉を拒否するのは相手に失礼と考える
相手をほめる時には勇気が必要なことがあります。それに対して拒否されてしまえば、ショックを受けます。
ほめ言葉を受け取れない理由は色々あります。中には正当な理由の場合もあります。
それが「謙遜していたほうがいい」程度の理由なら、頑張って良い感情を表現した人が可哀そうにさえ思えます。
受け取る方法
「ありがとう」
「嬉しい」
と、受け取る練習をして、受け取る癖付けをしていくのが、受け取る方法です。
拒否するよりもその場がいい雰囲気になったり、相手と仲良くなれたりと、良いことが多いのに気が付きます。
真に受けてと馬鹿にしたり、ましてや位打ちを狙うような企みは、「徳」が貯まれば離れていきます。
まとめ
- ほめ言葉を受け取れないのは、自己肯定感が低いから
- 叱責や怒りを必要以上に受け取るのは、拒否してはいけないという思い込み
- ほめ言葉を受け取ると徳が貯まる
- 受け取る練習をして慣れていく