2016年頃~数年間、デグーと猫、特にデグーの飼育を中心にしたブログを運営していました。
その当時よくいただいていた質問は、どうすれば家のチョコのようなベタ慣れデグーになるのか?というものでした。
質問を送ってくださった方のデグーちゃんの様子も書いてくれているのですが
「いや、それベタ慣れだから!じゅーぶんに懐いてくれてるから!」と思うものがほとんどです。
どれくらいでベタ慣れなのか、というのは人によって基準が違うと思います。
デグーちゃん側から甘えてきたり、撫でる(マッサージ)のをよく催促してくれるなら充分なベタ慣れデグーだと私は思っています。
家のチョコのように、家にいる時間はずっとべったりな懐き方こそがベタ慣れデグーだと思われる方もいらっしゃるのかもしれません。
今回はあえて、家のチョコくらいにべったり一緒の子をベタ慣れデグーと定義して、ベタ慣れデグーを飼育するデメリットをご紹介したいと思います。
今回あえてそう定義しているだけで、飼い主さんが好きで甘えてくれる子はみんなベタ慣れデグーです!
懐き過ぎるから飼育は無理となれば、デグーちゃんも飼い主さんもつらい思いをします。
この記事は、懐き過ぎるデグーの例を知っていただいて、デグーちゃんの飼育の判断材料の1つにしていただくことを目的にしています。
ベタ慣れが原因で飼育放棄された初代デグー
今飼育しているデグーのチョコは2代目です。
初代デグーは最初家の子ではありませんでした。
初代の子の飼い主は別にいました。
デグーをお迎えするためにショップへの付き添いを頼まれ、一緒に行ったといういきさつで初代の子とは出合っています。
ベタ慣れデグーは、飼い主さんとべったり一緒に居られないと寂しがり自傷行為などの問題行動を始めます。
初代の子はベタ慣れのためとにかく寂しがりやで、飼い主と一緒にいる時間が少ないとストレスで自傷行為を繰り返しました。その上ケージ内の落下事故で怪我まで負っていた状態でした。
再三、きちんと飼育するようにお願いしましたが時間がないと聞いてくれず
「里子に出せばいいんでしょ!」と切れる始末でした。
もちろん里親を探すそぶりもありません。このまま居なくなっても自分は悪くないと思っているのが見てとれたので、その人との縁切りと引き換えにその子を家に迎えました。
猫を飼育している家にデグーを迎え入れることについては相当悩みました。でもその子のボロボロの様子には我慢できず、猫のリュミには謝りまくりつつ飼う事にしました。
ですが、私の看病では足りずに早くに虹の橋へ送ってしまうことになりました。
元飼い主には疎まれ、私の元へ来ては病院通いの日々という一生を送らせてしまったことが申し訳なくて、もう1度お世話させたもらうという形で償わせてもらえることを祈りました。
その祈りが通じて今飼育しているチョコに出会えたと思っています。
ベタ慣れデグーを飼育するデメリット
1.飼い主が構いたい時だけベタ慣れというのは無理。家にいる時間はすべてデグーに捧げなくてはいけない
朝起きる→(ケージから)出して!
外出先から帰宅する→出して!
夜中にふと目が覚める→出して!
と、とにかく「出して!」の催促が基本です。
チョコの場合、最低でも1日8時間は一緒にいる時間をつくらないとストレスで自傷行為を行いはじめます。
怪我をするまで耳を引っ掻く、出入り口を引っ掻き過ぎて前足の毛が抜け皮膚がむき出しになるなどです。
仕事などで外にいる時間と睡眠時間、それと入浴時間以外で8時間確保するとなれば相当きついスケジュールになると想像していただけるでしょうか?
(※ 現在は1日6時間ぐらいで大丈夫になってくれています)
2.病気になっても寝込めない
以前酷い風邪をひいてしまい、一週間ほど点滴をするために病院に通ったことがありました。点滴後は体が少し楽になるので、その間だけ一緒に居たり掃除や食事の用意をしていました。
普段より構う時間が少なくなった結果、チョコの結膜炎が再発しました。
ケージの外に出してもらえないので怒ってかじり木をゴリゴリかじり続け、床を木屑だらけにしました。その上で木屑+牧草の床を「僕の気持ちなんて! 僕の気持ちなんて!」と激しく堀りおこしてまき散らしたのです。それで目にゴミがはいったのが再発の原因です。
別の時に、激しいめまいでまともに動けなくなる状態が続いたことがありました。
チョコの「出して!」に対して「もう少し寝かせて…」と頼んだところ、私の様子がおかしいことに恐怖を感じたのか「チュン! チュン!」と叫びはじめました。
結局ケージから出して、椅子にもたれかかって何とか安静な状態で過ごせましたがやはりきつかったです。
それでもチョコは、具合の悪かった私が不安だったようで、その後しばらく一日10時間以上一緒に居たがるようになりました。
3.家事などの用事をするのに制限される
今でこそチョコは、食事や洗濯、掃除をするときに大人しく服から顔を出して安全に見学してくれるようになりました。
デグーちゃんはとにかく好奇心旺盛です。
チョコもその例にもれず、何か私に動きがあると右に左に走り回って危ない状態でした。
今でもチョコの安全を気にかけながら家事をするので、普通に行うよりは時間がかかります。
こうやってブログを書く時にも、手の上で寝たり撫でる事を要求されるので片手で文字を打つこともよくあります。
4.掃除機を日に何度もかけなければいけない
私の服の中で暮らしている状態なので、私が移動する先々でペレットの食べたかけらや牧草のカスなどが床に散乱します。
一階と二階にそれぞれ掃除機を置き(うち一つはコードレス)汚れが気になると稼働させます。1日4回はかけているような気がします。
最初は大変でしたが今はもう慣れました。
5.ストレスがかかる事も
今まで書いたデメリットすべてで、かなりストレスがかかることがあります。
子供がどんなにかわいくても、育児ストレスに悩むのと同じようなものかもしれません。
眠くても具合が悪くても寝かせてもらえない時や、大事な用事で帰宅が遅くなってブチ切れられたりすると、
「こんなに尽くしているのに…!」
と文句も言いたくなります。
ベタ慣れデグーは想像以上にベタ慣れです
デグーはそんなに懐かないという情報も多い
かわいいベタ慣れデグーと思ってお迎えしても、それこそ
「思ってたんと違う!」
ということになればデグーちゃんも飼い主さんも幸せにはなれません。
懐き方が「思ってたんと違う」は
- 思ったよりも懐いてくれない、こんなにお世話を頑張っているのに心が折れそう
- こんなに懐くなんて聞いていない!ここまでお世話が大変なら飼育は無理だ
の、2種類に分かれます。
そして情報の主流は、1.あまり懐いてくれない、のように感じています。
なので、想像を絶するぐらい懐くデグーちゃんがいるという情報を発信したくて始めたのがデグー飼育のブログでした。
家のデグーのベタ慣れさに疑問を持たれることもあった
デグーブログを運営していた時、たまにいただいていた質問で
- そんなに懐くデグーはいないのではないか?
- そんなにデグーの世話に時間を取られれば人間の生活が成り立たないのでは?
- あなたはニートで家事も仕事もしていない人なのか?
というものもありました。
それぐらい、ここまで懐くデグーの存在は認知されていないんだなと思いました。
- 睡眠時間を削る
- 160度リクライニングチェアに寝転んでデグーと一緒に眠る(仮眠レベル)
- 家事をする時はデグーは服の中(常に一緒に行動)
- 家から近い場所に転職し昼休みもお世話のため帰宅する
という方法で時間を確保しています。
ここまで尽くしていれば、年に数回の一泊旅行程度なら許してもらえるようになりました。
初代の子の元飼い主のように、ベタ慣れデグーの大変さに飼育放棄するような人はめったにいないと思います。
ベタ慣れデグーを飼育する大変さの一例を解ってもらった上で、かわいいかわいいベタ慣れデグーちゃんをお迎えしてもらえたらと思います。
そしてデグーちゃんが懐いてくれない可能性も考えてお迎えしていただければと思います。
まとめ
なんとベタ慣れデグーが起き上がりお迎えしてほしそうにこちらを見ている
お迎えしますか?
⇒はい
いいえ
この記事の内容だけではデグーが可愛くないのかと思われるかもしれません。ですが、ベタ慣れと知ってお迎えしている子なので大変さは承知の上で溺愛しています。
完全に余談ですが、ベタ慣れデグーのいる日常を少し書いてみます。
- 近所の人が訪ねてきた時デグーを肩に乗せて応対しているので「いつも肩にネズミを乗せている人」という認知をされている
- 家のデグーを見るのを楽しみにしている宅配業者の方もいる、しかも数人。
- 何か用事で家を訪られた人が偶然デグー飼いだった場合、私の肩に乗っているデグーを見て歓喜の悲鳴を上げる。中には記念写真を撮られる人もいた