こんにちは。くまの(Kumano@Rpgmg)です。
このタイトルで記事を読もうと思ってくれた方の中には、自分に厳しいにもかかわらず「まだ甘いかもしれない」と心配している人もおられると思います。
この記事の目的は、自分に厳しく律している人に対し足をひっぱり嫌な感情をぶつけてくる人は、このような心理バイアスでを見ていますよ、と伝えることです。
自分に厳しい人がこのバイアスを知って欲しい理由も含め、帰属バイアスについて書いていきます。
原因は正しくない「帰属」
帰属とは何か?
帰属とは、ある結果に対し原因がどこにあったのかを求めようとする心理作用のことです。
例)
- 失敗した→何が原因で失敗したのか?
- 上手く行った→順調に進んだ原因は何だろう?
正しい帰属と間違った帰属
その帰属を目的で2つに分ければ
- 帰属理論
- 帰属バイアス
です。
1.帰属理論(きぞくりろん)
原因を正しく探っていくもの。目的は原因を探すことなので、正しいかどうかが重要事項です。
ある結果に対し原因が何かを探していく過程を説明していくものです。代表的なものは、内的帰属と外的帰属に分類するフリッツ・ハイダーの理論です。
フレームワーク(型や法則)に従って理論立てることで、フィルターやバイアスをできるだけ避けながら正しく原因を探っていきます。
2.帰属バイアス
原因を見つけ、自分の心を納得させるもの。納得することが目的なので、答えが正しいか正しくないかはそんなに大切ではありません。
結果が納得いかない時に、自分の心に折り合いがつけられるような原因を探します。
多いのが
自分が失敗して納得がいかない
他人が成功して納得がいかない
で、
自分が失敗したのは自分ではない他のせいだ(例:人が邪魔したせい)
他人が成功したのはその人のおかげではない何かによるもの(例:ずるいことをした)
という答えになります。
なので、
自分に甘く人に厳しくなる原因は帰属バイアスが原因です。
帰属バイアスとは何か?
帰属バイアスで代表的なものはこの3つです。
- 根本的な帰属の誤り
- 行為者-観察者バイアス
- 自己奉仕バイアス
以下説明を書いていきます。
根本的な帰属の誤り
他人の行動を解釈しようとする際のバイアス。
他者の行動はすべて、その人の性格など内的な要因から生じていると推測してしまうことです。
外的な要因を無視して、すべてその人本人が原因によるものと考える。
- 電車が遅れて遅刻したとしても、だらしないから遅刻したと思う
- 伝達ミスで仕事に必要なものを持っていなかった時、やる気がないから忘れ物をしたんだと思う
- 足のケガで優先座席に座っている人を若いのにマナー知らずと決めつける
などです。
行為者-観察者バイアス
根本的な帰属の誤りの延長的なバイアスで、他人に厳しく自分に甘くの典型例と言われるものです。
行為者と観察者では、起こったことに対する原因への解釈が変わります。自分のことなら事情が分かるけれど、人のことなら事情を察する必要があるからです。
その事情を察することをせず、自分がやったことは過大評価し、他者のやったことは過小評価します。
ある難しい資格試験を受けた時、結果が
- 自分が合格→頑張って勉強したから
- 人が合格→ヤマが当たったんだろう
- 自分が不合格→仕事が忙しく勉強時間が足りなかった
- 人が不合格→真面目に勉強しなかったからだ
という思い込みがこの例です。
自己奉仕バイアス
自尊心を保つために起こるバイアスです。
ある職場で重要な仕事をまかされたのが
自分の時→仕事を頑張ってきたからだ。才能を認められた
他人の時→えこひいきだ。あいつは媚びるのが上手いからだ
という思い込みがこのバイアスになります。
自分に厳し過ぎる人に帰属バイアスを知ってほしい理由
自分に厳し過ぎる人の中には、自分に対して帰属バイアスで非難する他者を自分の心に飼い育てている場合があります。
自分が何か成功しても、ただの偶然で人のおかげ
自分もしくは周囲が失敗すれば、すべて自分のせい
と思うなどです。
バイアスは思考の癖でもあります。幼少の頃から親などに帰属バイアスで責められれば、そう自分を受け取る傾向があります。癖には気が付きにくいので親から離れても自責し続けます。
その状態で自己防衛をしようとすれば、さらに面倒な思考に進みます。
自分を責める心に蓋をするために、心にもない自画自賛をし、他責をしはじめます。
突き止めた「原因」が間違っているのに、その間違ったものに違った対処をするので二重に心が消耗している状態です。
自分を責め続けて苦しい人は、帰属バイアスについて考えてみてください。
まとめ
- 帰属とは、結果に対し何故そうなったのか原因を知りたい心理
- 帰属バイアスは自分の心を納得させるために起こる
- 帰属バイアス3種類
- 根本的な帰属の誤り→人の行動は全てその人の内面によるもの
- 行為者-観察者バイアス→自分の行動は状況にも影響される
- 自己奉仕バイアス→成功は自分のおかげ、失敗は人のせい
- 自分に厳し過ぎる人の中には、帰属バイアスで自分を責める他者が心に住んでいる場合がある