占いや相談をする時は、当たるものを探しますよね。
未来が予想できれば備えもできます。岐路に悩んでいるときの助けにもなります。
ですが、当たる占いやセッションをしてもらったことで、以前よりも悪くなることがあります。
今回の記事では、当たることに依存しておきること、当てるよりも大切なことについて書いていきます。
当たれば良いというものではない、という話です。
当たる・当たらないについては、思い込みが関係することもあります。
当たると思っていれば、どんな答えでも「当たっている」と感じるようです。
当たってほしいという希望から、当たっていると思い込む場合もあります。
「当たる」占い師に依存して起きること
占いといえば恋愛相談が多いので、その例を出します。
ある人が、同じ職場のAさんに片思いをしていました。Aさんに恋人がいるかどうかは知りません。もし恋人がいたら、と思うと怖くて探りも入れられません。
そこで、当たると評判の占い師さんに見てもらいました。
占い師さん曰く、Aさんは1年くらい前に恋人と別れて今はフリーだ、ということです。
ほっとして、Aさん近辺の人にさりげなく探りをいれると、実際に1年ほど前に別れていてフリーだということを知りました。
そうしたら、別の疑問が出てきます。
- Aさんは、今はフリーでも他に好きな人がいるのではないか?
- Aさんのことを好きな誰かがアプローチしているのではないか
- 1年前の別れで恋愛にうんざりしていて、誰とも付き合う気がないかもしれない
- 昨日と同じ服を着ているのは、誰か異性と泊ったのではないか
- 昨日挨拶をしたのに元気がなかったのは、自分が嫌われているからなのか
これを、疑問が出る度に占ってもらうようになります。
占ってもらった結果、答えがもらえて安心した
↓
心が落ち着いた
↓
別の疑問が出てきて不安になってきた
↓
不安に耐えられなくなり、占ってもらう
これを繰り返してしまいます。
今までなら、耐えられていたような、考え過ぎと自分をいさめていたような不安にも耐えられなくなっています。
そうして心の耐久性が弱くなり、常に耐えられないような不安をかかえた状態になります。
これって、占ってもらう前よりも不幸になっていますよね。
「当たる」セッションに依存して起きること
自分の内面や悩みをセッションで言い当てられれば、相手に強い信頼をおきます。
アドバイスに従って動いたことで問題が軽減されれば、
「この人の言う通りにしていれば大丈夫・幸せになれる」とさえ思い込みます。
就職先は何処が良いか、AとBを選んでどちらが上手くいくのか、自分は何のために生まれてきたのか等、答えを知りたくなります。
これは、自分の人生を他人にまかせている状態です。
その状態の人に、
「あなたはどうしたいのか?」
と聞いてもキョトン顔になります。
何をしたいのかではなく、何をすれば上手く行くかが重要で、それを教えてくれるのがセッションなのではないかと、そう思ってしまうようです。
提供者側の問題点
「当てること」より重要なものは?
自分が提供したものが「当たった(正解した)」時、提供者側が自分の当てる能力に依存する場合があります。
当たるのを宣伝に謳(うた)うとか、当たると豪語(ごうご)するとかを言っているのではありません。当たるものは当たると言って問題はありません。
問題なのは、当たることが正しく、当たることが全てだという思い込みです。
依存しなければ、その当たった答えをどう使うか考えます。
もしくは、当たっても当たらなくても関係なくて、出た答えを叩き台に使い、問題の解決につなげていきます。
最低限解決した方が良いもの、あきらかに苦しむ原因になっているものについてはなんらかの答えや解決方法があります。
ですが、未来は確定していませんし正解もありません。
提供者が「当たること」に依存すると
占いやセッションを受けた側が当たった答えに依存してしまうのは、そんなに珍しくはありません。
提供者側が当てることに依存していなければ、受け手も依存ではない状態に戻ります。
もしくは、思うようにすぐ答えをくれない(=安易に依存させない)ので、そういう目的の人は離れていきます。
提供者が当たることに依存した場合は、次々に当てようとします。
当てて、安心できるような答えを探して、楽になってもらおうとします。
受けた側は、その人に聞けばいつでも簡単に楽になれるので、答えを求めます。そうしてどんどん依存していきます。
当てて答えを言う/聞くことの何が間違っているのか?
- お金を渡すより、お金の稼ぎ方を教える
- 魚を渡すより、釣りの方法を教える
- 野菜を渡すより、育て方を教える
前者より、後者のほうが良いと言われていますよね。
お金をただ渡せば、使えばなくなります。稼ぎ方を教えれば、使っても自力で稼ぐのでまた手に入ります。
当たっているからといって、ただ伝えるだけでは、安心はその場だけで、すぐになくなります。
占いやセッションを受けるときは、当たっているかどうかではなく、その答えをどう使っているかに注目してみてください。
まとめ
当てること、当たることが一番大切という双方の思い込みが問題かもしれません。