2020年9月20日(日)名古屋の栄にあるTIGHT ROPEで行われた「DEATH METAL GIG Vol.28」に行ってきました。
その時の「LIVEの感想」を書いていきます。(Live reportではなく、感想しか書けません)
とにかく物凄かったということだけでも伝われば幸いです。
DEATH METAL GIG Vol.28
コロナ対策としては、収容人数制限(キャパの半分が上限)消毒や体温測定、スマホによる情報の登録がありました。
ステージと客席の間にアクリル板が設置されているのと、客席には、床に貼って立ち位置を誘導するフロアシールなるものがありました。
フロアシールにはびっくりしてしまい、思わず2度見してしまいました。(個人的には、フロアシールは適度な距離で観やすくなると思いました)
出演バンド
- DETHFAST
- CONCRE(広島)
- SUBCONSCIOUS TERROR(大阪)
- CLANDESTINED
私が感想記事でよく使っている「受信型」「送信型」ですが、このどちらかを持つかが私にとっての感覚理解のきっかけになっています。
受信型:受け取る器の質を持つ
送信型:湧き出る泉のような質を持つ
という感覚です。
参考記事 受信型と送信型の魂(エンパスとエルゴン)
DETHFAST

この日トップを飾ったのは、地元名古屋のスラッシュメタルバンドDETHFASTでした。
ギター/ボーカル・ベース・ドラム の3ピース構成です。
シンプルかつ凛々しい「硬派なスラッシュ」と分類される音です。安定感がある曲調と展開を基本として押さえつつ、個性的な展開や感覚にクるギターの音がいきなり乗ります。
私がこの音を聴いた時に最初に抱いた印象は、「何か大切なものを持っている」でした。スラッシュ系の音で、それを1番に感じるというのは滅多にありません。なので好奇心もあり、それを起点に音を見ていました。
それと同時に私がハマっていたのが、バンドが発するエネルギーによって作られている「音の形」です。
揺るがない、安定している、といった音の丹力もそうです。そしてもっと目を惹くのが、出される音全ての形がとにかくクリア!という部分です。後半になればなるほどそれが際立っていきます。
これはやはり、エネルギーがしっかり安定している・整っているのと、その状態を知っているから維持できるということかと感じています。
そして音の形がクリアという事は、それ以外の空間もクリアだということになります。
それは、音の形自体はもちろん、音の空間すらも変幻自在に作り出せるということです。音の形の外側が「音の空間」なのでそうなります。
その両方がくっきりはっきりしているわけです。
もうこれはこの音の中に飛び込んでいかなければもったいない!! って感じで入り込んでました!音空間で自由に彷徨うというのは中々出来ることではなくて、楽しかったです。
「大切なものを持っている」ですが、今まで生きてきた中で出会えて良かったと思うような感覚、大切に持っていたいなという感覚を得た時の気持ちが、音の中にあふれているその部分です。
だから、この音を演奏する時には好きなものと会える、大切なものと共に居られる。その場所がLIVEなのだろうなと、そう感じました。
そしてこれが本来在るべきLIVEの1つの形だと思います。
もちろんLIVEの在り方なんて人それぞれです。だから「1つの」という言葉を入れています。でも私にとって、これはそう在りたいと思えるものです。
最初から良いものが観れたと、幸せな気持ちになれました。
CONCRE

ジャンルで言えば「デジタルハードコアパンク」になるのだそうです。
クラブ系を彷彿させるリズムの音は、この系統(DeathMetal)のイベントでは珍しいのかもしれません。私はかなり好きな音です!
このようなリズムは、快楽ホルモンと言われる脳内物質を分泌させ、嫌なことや苦痛を麻痺させてくれます。
麻痺させてトリップさせてくれる、しかもお薬要らずです。
そして、このバンドがもたらす麻痺はそんじょそこらのものとは違います。
本気の麻痺です!!
リズムが打ち込まれるたびに、観客側からすれば首を振るたびに、神経をガッツンガッツンと床に叩きつけているかのような感覚になります。
床に神経全てを叩きつけ続けて、やっと訪れる「麻痺」という感覚。どれだけ打ち消したい忘れたい苦痛が日常で多いのか。そして、だからこそ訪れるトリップの快楽はものすごいものです。
音は受信型の人によって作られています。受信型でダウナーな感覚です。正確に言えば、ダウナーな人がアッパーになる、気分を「上げる」ための音。その分上昇のエネルギーは強いものになります。
そして受信型の人が作られているので、感覚の濃度が濃い! 音が流れていく中で、セル画的な一枚絵のような感覚が浮かび上がって繰り広げられていきます。声無き叫びのような絵も含めて、それらもどんどん「上げて」いきます。
それを、「超」アッパーで「超」送信型のボーカルが、ぐっと掴んでさらにグングンと「上げて」いく。いやー、もう「気持ちいい!!」としか言いようのない感覚です。
締めにベースの音が全てをくっきり縁取り、形を決め存在を際立たせていきます。
公式で上がっているサンプルを聴いて一撃でハマり、この日までLIVE動画を観まくっていました。(つまり相当楽しみに待っていた)
そして、やっぱり生(LIVE)は違いますね!! 動画とは別物です。
MCでも言われていましたが、「これがLIVE !!」って、本当にそう思います。
ヴォーカル/フロントマンが、音の中を変幻自在に動き、表現するあのエネルギーは、生でなければ感じられません。ここまで凄いものだったのだと、生を観て初めて伝わってきて、震えました。
ありきたりな言葉ですが、ジャンルは異なっていても精神は同じ。CONCREはエクストリームの攻撃性がガッツリ出ているヤバいバンドです。
SUBCONSCIOUS TERROR

Subconscious Terrorのみ、過去から何度も観ている、音源全てを聴き込んでいる状態なので感想の書き方が違うことをご留意ください。
1994年~1997年の間、全国規模のLIVEを中心に活動し、あの時代のシーンに確実に強い影響を与えたバンドの1つ。1998年に休止。
2019年に奇跡の復活をし、2020年3月には地元大阪でレコ発&再結成LIVEが行われました。そしてこの日が、「レコ発&再結成記念LIVE2回目名古屋場所」でした。
コロナの影響でドラマーが出演出来なくなり、2週間前というギリギリの状態でVOMIT REMNANTSから助っ人いただくとか、かなり大変な状態だったようです。
今回のLIVEは、ギター1人でのトリオ編成という初の試みでした。いつもはギター2人の4人編成です。バンドの中心人物のボーカル/ギターの濱崎さんと、VOMIT REMNANTSからドラムとベースの2人がサポートメンバーとして参加しています。

音は、デスメタルの中でも初期の「オールドスクールデスメタル」と言われるものです。ギターの音に少しだけスラッシュの要素が入ります。
初の1人ギターということで、調子が上がりにくい部分もあったようです。ですが3曲目のMonstrous Mediocrityで、はっきりと感覚が変わりました。
この曲は初代リードギタリスト(LG)の「おはこ」であるソロパートが入っています。私から見てその部分には初代LGの、Subconscious Terrorへの想いが一番強く出ている部分でもあります。
その気持ちに誘導されるかのように、サブコンの音世界に入り、音と同化しながらも自分をも表現するという、Subconscious Terrorにしか出来ないものを観せてくれました。
そしてCannibalCorpseの「Hammer smashed face」
この曲を濱崎さんが演奏する時には「今まで生きてきて音楽に会えて良かった」という音楽への気持ちが表現されていて、「物理的に」心臓が痛くなります。
さらに久々に演奏される、1stAlbumに入っているしかもSubconscious Terrorが最初に作った曲であるDefoliation。これはとても嬉しかったです。
最後の曲は、新譜「Reprogramming」にも入っている「Sacrifice Of Technology」です。
私は何度もSubconscious TerrorのLIVEでこの曲を聴きましたが、今までにない変化がありました。ギターの音が、内面に込められているものが違います。
Hammer smashed faceを演奏する時にも似た、音楽が好きで、LIVEをずっと演っていたいとか、ここでLIVEが出来て良かったとか、そして復活できてこの場所でLIVEが出来ている、苦労もあったけれど実現出来た喜びとか、
そのような気持ちがガンガンにギターの音からあふれ出していました。
このようなLIVEという現場に立ち会えて良かったと思うと同時に、物理的なエネルギーの意味で「コ□す気か!」と脳内ツッコミを入れつつ、Subconscious Terrorの大きな変化も感じ取れて良かったです。
- Sharpen Your Senses, Hone Your Values
- Remove Your False Skin
- Monstrous Mediocrity
- Open Your Eyes
- Hammer smashed face(CannibalCorpse)
- Defoliation
- Sacrifice Of Technology
Subconscious Terrorについては下の記事もご参照ください。
CLANDESTINED

この日のトリは、このイベントの企画者でもあるOkazzy!さんのCLANDESTINEDでした。
ジャンルはデスメタルなのですが、ギターの音はかなりスラッシュの要素を感じます。曲展開も含め、デスラッシュ的な印象があるかもしれません。
曲は早くてストレートな展開が多いけれどベースはメロディラインが凝っているなという印象でした。
このバンドの中心人物であるOkazzy!さんの感覚は、本当に独特だなと、いつも思います。
CLANDESTINEDは始めましてなのですが、この人の別のバンドは何度も観たことがあります。(といってももう四半世紀くらい前の話ですが…)
私が感じるこの方の独特さは、他の人との思考/感覚回路の違いです。
常人ならば、回路の角を5回曲がって目的の場所に電気を送る所が、4回曲がった所でゴールに至るイメージです。
言い換えれば、人よりも少ない思考/感覚の展開で真実にたどり着いていることになります。少ない分シンプルかつ効率的なものに行きつきます。
私のような凡人からすれば「え?そこからそこ!?」とか「そう来たか!」と感心することしきりです。
だからこそ、今はVOIDD B.C.と名付けられているバンドの曲展開のかっこ良さときたら、それはもうまるで「悪魔の所業」でした。
そしてCLANDESTINEDのLIVEです。
この日の出演が、「VOIDD B.C. じゃないのか…」とか思ってしまっていて、「本当にすみませんでしたーーー!!!!」 ///orz(土下座と落ち込み)
と、ステージに向かって土下座したくなるほどのものでした。
もうめちゃくちゃ、めちゃくちゃ、かっこいいです!!(誰か私に語彙力をください)
まず、この日のLIVEはいつもにも増して気合が入っておられているのでは?と感じました。あれだけ凄いバンドが立て続けに3つも演奏されれば、ここまでのものにたどり着くのだとも思います。
その、もの凄い気合を土台に(これが土台に入った時のエクストリームバンドはヤバいです。もちろんいい意味です)曲自体も気合、テンションが高いものを容赦なくガンガン続けていきます。
そしてこの日は、VOIDD B.C.の曲「 The Day After」が演奏されました。
悪魔の所業ではなく、悪魔です! 首が死ぬ!!
VOIDD B.C.の中でも特に好きな曲なので、この日に立ち会えてめちゃラッキーでした!
これでステージを締め、その後さらに観客のアンコールのリクエストでCLANDESTINEDからもう1曲演奏されました。地元トリバンドだからこその存在感で幕を下ろしてくれました。
久々に観られて良かった! この日の最高のイベントのブッキングにも感謝です!!
まとめ
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