【音の】Death Metalの受信型Vo【ガイド役】

音楽
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同じ曲を聴いた時、

ある人は「カッコいい! 最高!」と感じ
別の人は「いいね、結構好き」と思い
さらに別の人は「好みではない、何が良いのか分からない」という印象を持ちます。

このように、同じものでも感想や好き嫌いは人によって変わります。

最高と思う人、まあまあと思う人、興味を持たない人、それぞれ曲の感じ方や受け取り方が違うだけです。

これは音や曲の好みもあります。好みではないから良さが分からないといった感じです。

好きな音楽を好きなように楽しめば良いし、全ての音の良さを理解するのは無理なので、普通のことだと思っています。

ただ、よく分からなかったものが「最高!」と感じられれば、私は嬉しいです。

Death MetalバンドのVoで、「バンドの音」を表現することで、その音のカッコいい聴き方を示してくれるタイプの人がいます。

今回はそのようなDEATH METALの受信型Voについて書いてみます。

※ 私は音が見えるタイプの共感覚持ちで、見えた音について書いているとご理解ください。

「音」そのものを表現するVOについて

たとえばあるバンドのVoが声に乗せて

怒りを表現すれば、聴き手は表現されたその怒りを感じます。
悲しみを表現すれば、聴き手は表現されたその悲しみを感じます。

それと同じように、

今演奏しているバンドの音を感じたままVoに乗せて表現すれば、聴き手は表現されたVoが聴いたままにバンドの音を感じる、という理屈です。

自身で今聴いた音を感じたままに表現するというスタイルです。その表現を通して音を聴くことで、最高にかっこいい音を感じさせてくれます。なぜならば、そのVoが音の良さを知っているからです。

そのVoの感覚が降りてくるようでもあり、耳を貸してもらっているような感覚になります。

共通点

最高の音の聴き方を教えてくれる、音のガイド役のVoには、以下の共通点があるように思います。

  1. 受信型の感覚
  2. 感受性がとても高い
  3. 作曲や音創りの中心ではない
  4. VO専任(ギターやベース等他の楽器を兼ねていない)
  5. オリジナルメンバーではない(もしくはフロントマンに徹している)

バンドの音から少し離れた位置で観客的な視点を持てる。その上で音への理解も深い、感受性が高い受信型なので、自分を消して音世界に没頭している、というのが理由かなと推測しています。

このVOの表現を通して音を聴くと、リズム隊の、特にベースの音がとてつもなくかっこよく聴こえます。

受信型が条件なのは、自分を失くしてまで音に没頭する気質を持っているからです。その結果、音そのものは変えずに受け取り方だけが変わります。

※ この条件を満たせばガイド的なVoになるという意味ではありません。実際そのようなVoさんは希少です。

受信型・送信型とは?

人の感覚・気質には「受信型」と「送信型」の2種類があります。

これは受信優位、送信優位という意味ではなく、そのどちらかにはっきり分かれています。

割合的には

受信型(エンパス気質):送信型(エルゴン気質)=3:7 (もしくは 1:4)くらいです。

5人に1人が受信型のHSP(繊細さん)と言われていて、残りの4人が送信型です。なので受信型の方が少数です。

受信型と送信型の違い

  • 受信型は、自分の中に他者を取り込みます。そして自分自身は送信しません。
  • 送信型は、自分の中には他者を取り込みません。そして自分自身を送信します。

会話をする時、話す時もあれば聞く時もあるので送信も受信もするのでは?と思われるかもしれません。

受信型は、外部のものを受け取る器の質を持っています。自分から湧き出る質ではありません。なので外部のものを自分の中に取り入れるけれど、自分自身を送信しません。

送信型は、自分の中から泉のように何かが湧き出る質を持っています。受け取る器の質は持っていません。なので、自分自身を送信しますが、外部のものを自分の中には取り入れません。

送信型は、自分から湧き出るものを表現します。

受信型は、自分が受け取ったもの、すでに在るもの、他の感覚をまとめるといった表現になります。

受信型の特徴

  1. エネルギーを感じることや思考に使う癖があります。
  2. 一瞬の全力集中であっという間に燃え尽きます。
  3. 人をフォローするのが得意です。
  4. 物事を他人起点で見ます。
  5. 場の空気を読むのが得意です。
  6. 名監督になれます。
  7. 理論が優先です。
  8. その場によって変化し、顔つきまで変わります。
  9. 模写が得意です。
  10. 「時」とは一瞬で移り変わる、セル画(完成された一枚絵の連続)の概念です。

送信型の特徴

  1. エネルギーを行動・実行に使う癖があります。
  2. そこそこの集中力を長期間持続させられます。(半年~黙々と集中するイメージ)
  3. 自分が先だって動くのが得意です。
  4. 物事を自分起点で見ます。
  5. 場の空気を作るのが得意です。
  6. 名選手になれます。
  7. 実践が優先です。
  8. どの場所でも、自分自身を持っています。
  9. オリジナリティを出すのが得意です。
  10. 「時」とは動き続けて経過していくもので、動画の概念です。

ガイド的な表現に気が付いたきっかけ

もう四半世紀も前の話になりますが、1996年あたりにLIVEを観まくっていた時期のことです。

その時によく観ていたバンドの1つであるDefiledのVoさんが、この感覚に気が付いたきっかけでした。

私にとってDefiledは聴きなれた音ではなくよく分からなかったのですが、かっこいいという確信はあったので、どう聴けば良さが分かるのかと探っていました。

Voさんの感覚が降りて来た時に、音の感じ方が一気に変わりました。曲の良さが分かる、音の意味が分かる、ベースの刻むリズムがこんなに楽しいと知ったのも、この感覚のおかげです。

なので当時めちゃくちゃこのVoさんにハマッていたというか、音の良さをダイレクトに体感させてくれることに、感謝の気持ちで一杯でした。

もちろんVoがそのような表現が出来るのは、音そのものがかっこ良いからというのは理解しています。

最近知ったこのタイプのVo

十何年も、Death MetalなどのExtreme Metalから離れていました。

そして、久々に観たのが2020年3月15日に心斎橋火影で行われた「Hyper Blast Fest Vol.1」

その当時は、出演バンドで知っているのはSubconscious Terrorのみ、予習も一切なしという状態で行きました。(直前に知ったので)

この日TOPだったのがVomit Remnants。その日だけ死んだ細胞の塊のハルカさんが代打でVoを務められていました。この方が、そのタイプのVoでした。

感覚の形を変幻自在に変え、意志を持って形が作られる砂鉄のような、ドラムの音の細かい部分にまで綺麗に絡んでいくし、ベースの刻むリズムがかっこいい!

久々に観たLIVEで、いきなりこのようなVoさんが観られたのには驚きました。

Cryptopsy

私にとって、音のガイド役の極みと感じているのは、CryptopsyのMatt Mcgachyさんです。

その理由として

  1. バンドの音そのものを完成された一枚絵として表現している
  2. 聴こえる音と聴こえない音を統合して表現している

の2つがあります。

1.一枚絵の表現

一枚絵の表現は以下の動画での曲です。

CRYPTOPSY – Worship Your Demons (OFFICIAL VIDEO)

Cryptopsyをしっかりと聴いたのは極々最近です。

この曲を聴いた時は、衝撃で震えが止まりませんでした。

受信型の感覚で、「時」とは一瞬の積み重ねで、セル画(完成された一枚絵の連続)の概念というものがあります。

その完成された一枚絵は「バンドの音」を描いたものでした。その絵がドラムのリズムに合わせてもの凄いスピードで流れるのが見えました。

バンドの音が完成されて一枚絵になるのも凄ければ、ドラムの音に合わせるというスピードも凄い。さらに言えば、この人は余裕をもって一枚絵を出してきています。

こんなに感受性が高い人がいるのか!? とも思いました。

そしてこのMatt Mcgachyさんの出すエネルギーそのものがクリアで綺麗です。

2.聴こえる音と聴こえない音の統合

OFFICIAL VIDEO: CRYPTOPSY – Sire of Sin

かなりVoスタイルが変わっています。以前よりDeath声に特化した感じです。(この2つの曲だけではそんなに違いははっきりしないかもしれませんが)

このVoが加入した時のアルバムが、ファンの間で(控え目に言って→)賛否両論だったようで、Death Metalから離れた歌い方にも批判も多かったようです。

Death声に特化させたことへの考察は別の機会に書く予定ですが、このVoさんは「人のために生きる魂」に分類されるタイプで、ファンの要望に答えたかったのだと思います。

(こういう気質のものなので、媚びているとかそういうのではありません)

参考記事 「人のために生きる魂」と「自分のために生きる魂」の違い

で、このVoさんは、「Cryptopsyの音」と「Death Metalファンが望む音」の両方をまとめて表現するようになりました。

Cryptopsyの音が、聴こえる音です。
Death Metalファンが望む音は、聴こえない音です。

望むだけの状態なら、聴こえません。

ですが、Matt Mcgachy さんはそのファンの要望を感受性でくみ上げ、Voで表現しています。

私は特にDeath Metalが好きというわけではなく、好きなバンドがたまたまDeath Metalと言われる音楽だというパターンでこのジャンルのものを聴いていました。

Cryptopsyもそうでした。かっこいいCryptopsyというバンドが、たまたまDeath Metalというジャンルにいるという認識でした。

ですが、Matt Mcgachyさんにより、Death Metalというジャンルそのものの音のカッコ良さをガイドしてもらえました。

「完成された一枚絵」とは

原始仏教の理論が関係します。
諸行無常という言葉があります。簡単に書けば「時間という実態はない、変化していくプロセスにメモリをつけたものが時間という概念だ(その代表例が時計の時間変化)。その中で「物は」一瞬一瞬で変化し続ける、川は常に流れ続け常に違う水に変わる様に、心も体も止まることなく変化している」というものです。

この視点を変えると、時の概念を超えた「一瞬」という確かに存在していたものがあります。アニメは人物が動いているように見えて、セル画という絵が一瞬で入れ替わっています。なので動くアニメキャラは存在しません。ですがセル画は存在します。

真実を探求する質の受信型は、感覚が極まればこの一枚絵を表現できますが、かなり稀です。なので受信型の「極み」の感覚と思っています。

番外編1:Subconscious Terror

「音の」ガイドではないので番外編です。

前々(四半世紀前)から、どうも私はVo(兼g)の濱崎さんの耳を借りて音を聴いているという感覚がありました。

先に書いたDefiledについて、最初から「かっこいい音という確信があった」のも、この人の耳を借りていたから。

ただ、何のガイドをしてもらっているかまでは分かりませんでした。

Death Metalではめずらしいことではありませんが、Subconscious Terrorはメンバーの入れ替わりが多いバンドです。

そしてメンバーの方が変わる度に、私の心境に変化がありました。

メンバーになった方について、畏敬の念を抱くほどに絶対にファンになります。この繰り返しです。

hammer smashed face cover(cannibal corpse)-Subconscious Terror

話が変わって、2020年の9月のLiveでのことです。(上の動画はその日のものです)

参考記事 【LIVE】DEATH METAL GIG Vol.28/名古屋TIGHT ROPE/2020.9.20

参考記事 日本のデスメタルSUBCONSCIOUS TERROR「Reprogramming」感想と考察

上に、受信型と送信型について書きました。通常はこの2つははっきり分かれ兼ねることはありません。ですが万が一の希少なタイプで、送信・受信のハイブリッドがあります。濱崎さんはそのタイプです。

ハイブリッドですがその配分は

Vo:受信型を基本に送信の感覚が乗る
G:送信型を基本に受信の感覚が加わる
歌詞:受信型
MCやSNSでの発信:送信型

なので、受信型のVoです。

この日のLiveで、受信型の極みの1つである「一枚絵」が表れました。

それはただの絵ではなく、その一枚に注目すると絵が動画として動き出すものでした。YouTubeのサムネイルにカーソルを合わせると静止画が動きますが、それに近い感じです。

絵の中の動画が何を表しているのか見ると、今まで音楽と共に過ごしてきた「時」でした。

時の概念は

受信型:時は移り変わり、一瞬として同じものはない
送信型:時は積み重ねていくもの

です。

それがハイブリッドならば

「一瞬として同じものはないけれど、それも積み重ねた結果として存在する」

と、なるようです。

何をさらっとこんなに深いことを表現しているんだと驚きますが、これで、何をガイドされていたのか見えました。

音楽を通して、メンバーの人と過ごす「時」への想いだったようです。

濱崎さんが感じているメンバーの人となりとか、一緒に演奏できて嬉しいという感謝の気持ちとか、そのようなものが表現されて、それをそのまま聴き手の私は受け取っていたようです。

そりゃー畏敬の念も抱きますというか、特に初代LGさんへの気持ちは凄かったです。

最初から一緒に演ってきたのに、(脱退のため)もうそれも終わってしまう、というのを受け取っていたのだと思います。

いつからこの感覚でSubconscious Terrorを聴いていたのだろうかと思い起こしてみたのですが、どうも初めてLiveを見た時、最初のMCで声を聞いた時からと思い当たりました。(つまり1曲目のSacrifice Of Technologyが終わった後)

声から見える、抱えているものの量の多さに驚いて、呆然とただ眺めてしまっていたのを思い出しました。

番外編2:Vomit Remnants

ガイドの「対象」なので番外編です。

Vomit Remnantsのリズム隊である、DrのTsuboiさんと、Bのsuzukiさんは、Subconscious Terrorでも演奏されています。

私にとってこのお二人は、死んだ細胞の塊のハルカさんによって演奏の凄さをガイドされ、Subconscious Terrorの濱崎さんによって、人としての素晴らしさを教えてもらった、ものすごい人達です。

(勿論、元々が凄いからこそガイドされているということは理解しています)

というわけで、当然どっぷりハマッています。

Vomit Remnants – Embodyment of a painful void (Official Video)

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